5706 情報サービス論 レポート

情報サービス論のレポート作成について書きます。

勉強の流れについてはこの記事で、レポートの書き方一般についてはこの記事で説明しています。

繰り返しになりますが、丸写しのレポートは再提出になりやすいようなので、参考にとどめてください。

1. 設題の分解と書き出し

情報サービス論のレポート設題は、

「利用教育(利用指導)の重要性を挙げ、それぞれについて簡潔に述べるとともに、実施のために必要な環境整備とは何かを考察し、論ぜよ。」

これを分解すると、

利用教育(利用指導)の重要性を挙げ、それぞれについて簡潔に述べるとともに、実施のために必要な環境整備とは何かを考察し、論ぜよ。

となると思われます。この設題で答えるべきは、

①利用教育の重要性、

②利用教育実施にあたって必要な環境整備についての私見

の2点と思われたので、次のような導入を書きました。

 本稿は、情報提供サービスの中心であるレファレンス業務の中の、利用教育について論じる。まず第1章において利用教育の重要性をまとめ、第2章では求められる環境整備について考察を深める。

2. 設題①と設題②

まず設題①については、教科書67頁の「利用教育の重要性」という見出し以降を読んでまとめるだけでいいと思います。

また、教科書中の文量や文章の内容から、ここで挙げられている8点にはそれぞれ重みづけにおいて差異があるように読めます。具体例はさーっと通り過ぎて、主張になっている部分を見つけてください。

(失礼ですが)同じようなこと言ってるんじゃない?って思うところもあって、適宜自分の良いように解釈してまとめました。

その結果、設題①については次のように説明しています。

 図書館における利用教育が重要とされるのは、以下の理由による。
1.情報化社会を生き抜く手立て
情報化社会とは、「通信技術やコンピュータの飛躍的な発達に伴い、大量の情報が生産され、流通・蓄積廃棄という活動が展開される社会」と表現される(毛利2012)。そのような社会では、適切な情報の素早い効率的な入手が重要であるため、利用教育が求められる。
2. 情報のリストラ時代
図書館利用教育は、一定の探索法による効果的な調査に本質がある。そのため、情報の取捨選択が不可欠である情報のリストラ時代において、効果を発揮する。
情報のリストラ時代の帰結として、図書館員は利用教育に関する指導が求められる。図書館員は情報活用能力に加えて主題知識も問われ、専門主題に関する学習・研究が必要となる。
3. 情報化社会における対応策
情報化社会に対応して上手く文献を入手するには、情報入手のための調査法を学び、情報選択能力を持つことが有効である。
4. 文献調査法の会得
情報化社会においては、文献調査法の会得は不可欠であるが、日本の教育制度にはその確固たる基盤がない。日本の教育はいわゆる知識注入型で、事前調査や図書館利用がおろそかになることが多い。しかし今般の時代の変遷を踏まえると、情報化社会の要請に応えて取り組まねばならない、喫緊の課題であるといえる。生徒に文献調査法を指導しうるよう、教員養成の面でも改革は求められる。
5. 日本の文献調査法教育の現状
文献調査法教育の基盤が確立していないため、細かな資料利用を必要となる大学教育の段階で、現実的に対応するケースが増加している。本来は義務教育の段階において利用教育を行い、自主的・自発的な学びを深めうるよう整備するのが望ましい。
6. 原始的手法による文献の収集
文献調査法の指導の枠組みも確立していない日本においては、文献調査法を知らず大学に入学した学生は原始的手法によって資料を入手するので、図書の利用に偏る傾向にある。
7. 文献調査法の指導のもたらす効果
文献調査法を会得し、これを活用して課題に取り組めば、原始的手法を用いるのに比して、質の向上とともに所要時間の大幅な短縮が見込める。
8. 全ての人を豊かにする文献調査法
生涯学習時代において、文献調査法はどのライフステージにおいても有効に活用されうる。利用教育を受けることで、学生は卒業後の情報化社会を生き抜く手だてを会得するのである。その効果を考慮すると、文献調査法教育を図書館の管轄する課題として委ねるのは適切ではなく、社会的・国家的な利用教育の枠組み整備が求められる。

続いて、設題②についての解説をします。

教科書が考えている必要な環境整備は79頁以下に列挙されています。私見を述べる前に、まずこの7点を列挙しました。これはテキストを読んでいることをアピールするためです。

通信教育、特に私のようなレポートもテストも全てKULeDを利用している人にとっては、打ち込む文字だけが全てです。どんなに勉強したかを採点する先生に伝える術は、レポートの内容以外にありません。

7点を列挙した後、どのような環境整備が必要であるかの私見を述べます。

私は①組織的に行うことに着目して私見を述べました。

教科書に載っている7点は、完全に並列で語り得る7点ではないことがわかると思います。

例えば、②予算措置、③教員との連携などの環境整備は、①組織的に行われることが前提になっています。つまり、環境整備には順番があるってことです。

そこで、私見は次のように構成しました。

主張(どのような環境整備が必要か)→その理由(なぜ組織的に行うことが必要か、つまり、どのような現状があるために組織的に行うことが求められるか)→主張によってもたらされる効果など(どのように環境整備として貢献するか、或は、どのようにして具体的に進めていくことになるのかなど)

また、教科書の内容だとコンパクトすぎるので、ciniiで最新の論文を探して読んで肉付けしてみました。

以上の手順を踏んで、私が作った設題②の解答がこちらです。

 毛利(2012)によると、求められる環境整備として以下の7点が挙げられるという。すなわち、(1)組織的に行うこと、(2)予算措置をすること、(3)教員の連携を図ること、(4)利用教育マニュアルを作成すること、(5)館員研修を実施すること、(6)レファレンスツールを充実させること、(7)映像メディアを利用することである。
上記はいずれも重要であるが、筆者が関心を抱くのは(1)組織的に行うことに含まれる、組織的・制度的整備による、利用教育の基盤づくりである。
学生が文献調査法を知るのは、大半の場合、大学入学以降であるのは既述の通りである。現在の利用教育に関する研究も、大学図書館を対象としたものが多くを占めている(中浴・伊藤2015など)。小学校教育において、学習指導要綱には学校図書館の利用に関する既述が増えているとされ、利用教育の必要性が意識されていると思われる場面もあるが、実際の教育の場面では、これらを参考に担任と図書館担当者がすり合わせを行って、授業を展開するかが決定される(菅原・中山2007)。そのため、個人の力量や熱意によって利用教育の密度が左右されるのは免れない。
このような現状のもとで、組織的に行うことを目指す取り組みとしては、利用教育の実践とその研究の積み重ねが有効と思われる。組織的な整備の前提として、望ましい利用教育に関する議論の蓄積、利用教育の制度モデルの形成が必須となる。現在は大学図書館での研究が主であるが、この現状に対して、的を得ていない、と非難するのに終始するのではなく、そのような研究を積み重ね、義務教育のどの段階でどのような教育を盛り込むことが適切か、建設的な議論の土台づくりに活かしたい。

3. 解答例

以上を踏まえて、私が作成したレポートがこちらです。

はじめに 利用教育とは
本稿は、情報提供サービスの中心であるレファレンス業務の中の、利用教育について論じるものである。まず第1章において利用教育の重要性をまとめ、第2章では求められる環境整備について考察を深める。
第1章 利用教育の重要性
図書館における利用教育が重要とされるのは、以下の理由による。
1.情報化社会を生き抜く手立て
情報化社会とは、「通信技術やコンピュータの飛躍的な発達に伴い、大量の情報が生産され、流通・蓄積廃棄という活動が展開される社会」と表現される(毛利2012)。そのような社会では、適切な情報の素早い効率的な入手が重要であるため、利用教育が求められる。
2. 情報のリストラ時代
図書館利用教育は、一定の探索法による効果的な調査に本質がある。そのため、情報の取捨選択が不可欠である情報のリストラ時代において、効果を発揮する。
情報のリストラ時代の帰結として、図書館員は利用教育に関する指導が求められる。図書館員は情報活用能力に加えて主題知識も問われ、専門主題に関する学習・研究が必要となる。
3. 情報化社会における対応策
情報化社会に対応して上手く文献を入手するには、情報入手のための調査法を学び、情報選択能力を持つことが有効である。
4. 文献調査法の会得
情報化社会においては、文献調査法の会得は不可欠であるが、日本の教育制度にはその確固たる基盤がない。日本の教育はいわゆる知識注入型で、事前調査や図書館利用がおろそかになることが多い。しかし今般の時代の変遷を踏まえると、情報化社会の要請に応えて取り組まねばならない、喫緊の課題であるといえる。生徒に文献調査法を指導しうるよう、教員養成の面でも改革は求められる。
5. 日本の文献調査法教育の現状
文献調査法教育の基盤が確立していないため、細かな資料利用を必要となる大学教育の段階で、現実的に対応するケースが増加している。本来は義務教育の段階において利用教育を行い、自主的・自発的な学びを深めうるよう整備するのが望ましい。
6. 原始的手法による文献の収集
文献調査法の指導の枠組みも確立していない日本においては、文献調査法を知らず大学に入学した学生は原始的手法によって資料を入手するので、図書の利用に偏る傾向にある。
7. 文献調査法の指導のもたらす効果
文献調査法を会得し、これを活用して課題に取り組めば、原始的手法を用いるのに比して、質の向上とともに所要時間の大幅な短縮が見込める。
8. 全ての人を豊かにする文献調査法
生涯学習時代において、文献調査法はどのライフステージにおいても有効に活用されうる。利用教育を受けることで、学生は卒業後の情報化社会を生き抜く手だてを会得するのである。その効果を考慮すると、文献調査法教育を図書館の管轄する課題として委ねるのは適切ではなく、社会的・国家的な利用教育の枠組み整備が求められる。
第2章 求められる環境整備
以上では利用教育の重要性を概観したが、本章ではそれらを踏まえた環境整備について考察する。
毛利(2012)によると、求められる環境整備として以下の7点が挙げられるという。すなわち、(1)組織的に行うこと、(2)予算措置をすること、(3)教員の連携を図ること、(4)利用教育マニュアルを作成すること、(5)館員研修を実施すること、(6)レファレンスツールを充実させること、(7)映像メディアを利用することである。
上記はいずれも重要であるが、筆者が関心を抱くのは(1)組織的に行うことに含まれる、組織的・制度的整備による、利用教育の基盤づくりである。
学生が文献調査法を知るのは、大半の場合、大学入学以降であるのは既述の通りである。現在の利用教育に関する研究も、大学図書館を対象としたものが多くを占めている(中浴・伊藤2015など)。小学校教育において、学習指導要綱には学校図書館の利用に関する既述が増えているとされ、利用教育の必要性が意識されていると思われる場面もあるが、実際の教育の場面では、これらを参考に担任と図書館担当者がすり合わせを行って、授業を展開するかが決定される(菅原・中山2007)。そのため、個人の力量や熱意によって利用教育の密度が左右されるのは免れない。
このような現状のもとで、組織的に行うことを目指す取り組みとしては、利用教育の実践とその研究の積み重ねが有効と思われる。組織的な整備の前提として、望ましい利用教育に関する議論の蓄積、利用教育の制度モデルの形成が必須となる。現在は大学図書館での研究が主であるが、この現状を的を得ていない、と非難するのに終始するのではなく、そのような研究を積み重ね、義務教育のどの段階でどのような教育を盛り込むことが適切か、建設的な議論の土台づくりに活かしたい。
おわりに
本稿では、利用教育の重要性と環境の整備に関して考察した。利用教育の現状を再確認し、ここに問題意識が醸成された。また、紙幅の都合上、様々な利用教育のケーススタディは出来なかったが、今後の利用教育の制度モデルを意識して、将来の課題としたい。

引用文献
伊藤健司、中浴佳男「千葉県立保険医療大学で行っている利用者向けガイダンスについて」看護図書館協議会会誌、22号19-23頁(2015年)。
菅原春雄、中山美由紀「学校教育における情報リテラシー育成の必要性」文教大学教育学部紀要41号107-115頁(2007年)
毛利和弘『情報サービス論』(近畿大学通信教育部、2012年)

講評では全体的にいいです、というような評価をいただいていたので、実際に何がポイントとなっているのかは分かりませんでした。(笑)

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