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5709 図書館情報資源概論 レポート(及び、KULeDのお詫びについての所感)

図書館情報資源概論のレポート作成について書きます。

レポート設題集は使用期間平成27年4月1日~平成29年3月31日のものを使用しています。

また、勉強の流れについてはこの記事で、レポートの書き方一般についてはこの記事で説明していますので、併せて一読頂けると以下の記事も読みやすいかと思われます。

繰り返しになりますが、丸写しのレポートは再提出になりやすいようなので、参考にとどめてください。

本科目のレポートについては、設題集の「レポート作成上の留意事項・ポイント」、「総評基準についてのメッセージ」を意識して作成すればほぼ合格点に達しうるよう、内容を作りやすいものだという印象があります。

1. 設題の分解と書き出し

図書館情報資源概論のレポート設題は、以下のようなものでした。

「電子図書館の必要性を述べるとともに、日本の公共図書館が今後どのような情報資源を収集し、電子図書館サービスを提供すべきなのかを論じなさい。」

レポート設題集を見ると、留意事項のところに次のような指示があります。

「(1)電子図書館とはなにか、(2)公共図書館による電子出版物のこれまでの提供について、(3)今後どのような電子図書館サービスを提供すべきなのか、という順序で論理的に記述し、レポートを作成してください。」

この指示を参考に設題を分解すると、レポートの構想は以下のように導かれます。

①電子図書館の概要、語句説明を行う

②公共図書館の電子出版物の提供についての到達点と課題を述べる

③上記②で述べた課題を踏まえて今後の電子図書館サービスの展開を述べる

2.

2-1.

まず、電子図書館についての説明が求められます。

テキストの記述を参考にしながら、以下のようにまとめました。

電子図書館とは、ネットワーク上で図書館情報資源を提供するものであり、森(2016)82頁によると「なんらかのかたちで全文テキスト化或は画像処理を行ったものをコンピュータに蓄積し、インターネット上で検索と閲覧できるものをさすことが多い」ものと定義される。図書館法第3条では図書館が収集すべき資料が列挙されるが、その中に物理的媒体を伴わないネットワーク情報資源は明記されていない。しかし、図書館情報資源とは図書館サービスに必要な資料はすべて含むものという考えに立つと、これらの情報資源も公共図書館は収集すべきであり、電子図書館の発展が望まれる。

2-2.

次に、従来の公共図書館における電子出版物の取扱いについて述べていきます。

ここで注意したいのは、ただ漠然と来歴をまとめるのではなく、次の項において今後の展開を述べることを意識するという点です。

今後の展開を述べるパターンとして比較的容易なのは、課題点を見つけてその克服の在り方を述べることです。本設題ではまさにそのパターンが有用であるように思えますので、現状において課題として残されていることに重点を置いて論を展開するのが良いでしょう。

私は国立国会図書館での取り組み、公立図書館での取り組みをまとめた後に、課題が多く残っているように記述されていた動画の取扱いについて、以下のように述べました。

日本における、ネットワーク情報資源を用いた図書館の取り組みとしては、以下のものが挙げられる。

  1-2-1. 国立国会図書館のデジタル資料の提供

 平成21年の著作権法改正以降、国立国会図書館が所蔵する資料を保存する目的でのデジタル化が可能となった。これらの資料は、国立国会図書館デジタルコレクションで検索、閲覧が可能となる。また、2014年1月より、図書館向けデジタル化資料送信サービスが開始された。このサービスは、国立国会図書館がデジタル化した資料のうち、絶版などのため市場に流通しておらず、オンデマンド出版などでも商業的に出版されていない、図書館が入手困難な資料が対象となっている。国立国会図書館の承認を受けた図書館は、インターネットを通じて館内においてこれらの資料の閲覧と複製が可能となる。

  1-2-2. 電子書籍サービスの提供

 電子書籍サービスの過渡期のサービスの例として、北海道岩見沢市の図書館が館内専用端末において電子書籍の閲覧サービスや、奈良県生駒市図書館の電子書籍端末の貸出サービスが挙げられる。また、近年の公共図書館では非来館型の電子書籍サービスとして、ネットワークを介した貸出サービスを行っている。東京都千代田区立図書館の千代田web図書館においては、インターネット上で貸出・閲覧できる電子書籍サービスを行っており、約4000タイトルを提供している。また、大阪府堺市立図書館でも同様のサービスを行っており、約1100タイトルが提供される。この他にも大阪市立図書館や秋田県立図書館など、54館ほどが同様のサービスを行っているとされる。

  1-2-3. 図書館における音楽・動画配信サービス

 音源を配信するサービスである国立国会図書館の「歴史的音源」では、著作権の保護期間が終了したものを公開しており、国立国会図書館や参加公共図書館に来館すると、提供される全音源を聞くことができる。また、2005年よりナクソス・ミュージック・ライブラリーによる音楽配信が開始されている。このサービスにおいては、公共図書館はアクセス権を購入し、利用者は図書館でIDとパスワードを入手することでアクセスが可能となり、自宅で音楽を聞くことが出来るのである。2008年の岐阜市立図書館での導入を皮切りに、2016年6月現在では全国で130の図書館が導入しているという。

 動画の配信に関しては、国立国会図書館デジタルコレクションにおいて、NPO法人化学映像館を支える会によってデジタル化され、提供されたものが閲覧可能である。しかし、公共図書館においては配信用動画や放送番組は資料収集の対象になっていない。インターネットによる公衆送信を前提とした契約処理がなされていない過去の動画や、肖像権の問題などで、放送会社で作成されたコンテンツそのものを利用者に提供・配信している事例は少ない。

2-3.

前項において課題が明確に論じられていれば、ここで記述する内容には迷わずに済むように思われます。

動画配信に関して課題点があると述べたので、次のように今後の展開を論じました。

 第1章を受けて、本章では私見を交えて電子図書館サービスという観点からの公共図書館の課題と今後の展望を述べる。

 公共図書館の現状を踏まえると、動画配信が課題として残されているように思える。公共図書館が今後採るべき方向性は、動画の配信自体を目的として契約の更新や肖像権の取得といった問題に重きを置いて労力をかけるのではなく、そもそも図書館において収集すべき情報資源とは何かという点に立ち返り、如何なる動画を収集・配信すべきかを検討することである。図書館法に挙げられる、土地の事情、一般公衆の希望、学校教育の援助、家庭教育の向上等の考慮要素を踏まえるとともに、保存が目的のデジタル・アーカイブとの役割分担を意識して、如何なる情報資源がネットワーク上の動画配信に適切かを決断して、その提供に向けて努力すべきである。現在抱えている動画配信に関する課題は、「動画」という情報資源一般の配信を想定するため生じる問題である。直接来館しDVD等の貸出を行う以上に、ネットワークを利用して配信すべき積極的な理由が生じる資料にまず限定するなど優先順位をつけて、その契約や権利の取得を講じることが望ましい。

3. 解答例

以上を踏まえて、私が作成したレポートの全体がこちらです。

 本稿は、電子図書館の必要性を述べ、日本の公共図書館の今後の情報資源の収集や電子図書館サービスの展開を論考するものである。

1. 電子図書館

 1-1. 電子図書館の概観

 まず、電子図書館について概観し、その必要性を考察する。電子図書館とは、ネットワーク上で図書館情報資源を提供するものであり、森(2016)82頁によると「なんらかのかたちで全文テキスト化或は画像処理を行ったものをコンピュータに蓄積し、インターネット上で検索と閲覧できるものをさすことが多い」ものと定義される。図書館法第3条では図書館が収集すべき資料が列挙されるが、その中に物理的媒体を伴わないネットワーク情報資源は明記されていない。しかし、図書館情報資源とは図書館サービスに必要な資料はすべて含むものという考えに立つと、これらの情報資源も公共図書館は収集すべきであり、電子図書館の発展が望まれる。

 1-2. 従来の日本の電子図書館の取り組み

日本における、ネットワーク情報資源を用いた図書館の取り組みとしては、以下のものが挙げられる。

 1-2-1. 国立国会図書館のデジタル資料の提供

 平成21年の著作権法改正以降、国立国会図書館が所蔵する資料を保存する目的でのデジタル化が可能となった。これらの資料は、国立国会図書館デジタルコレクションで検索、閲覧が可能となる。また、2014年1月より、図書館向けデジタル化資料送信サービスが開始された。このサービスは、国立国会図書館がデジタル化した資料のうち、絶版などのため市場に流通しておらず、オンデマンド出版などでも商業的に出版されていない、図書館が入手困難な資料が対象となっている。国立国会図書館の承認を受けた図書館は、インターネットを通じて館内においてこれらの資料の閲覧と複製が可能となる。

  1-2-2. 電子書籍サービスの提供

 電子書籍サービスの過渡期のサービスの例として、北海道岩見沢市の図書館が館内専用端末において電子書籍の閲覧サービスや、奈良県生駒市図書館の電子書籍端末の貸出サービスが挙げられる。また、近年の公共図書館では非来館型の電子書籍サービスとして、ネットワークを介した貸出サービスを行っている。東京都千代田区立図書館の千代田web図書館においては、インターネット上で貸出・閲覧できる電子書籍サービスを行っており、約4000タイトルを提供している。また、大阪府堺市立図書館でも同様のサービスを行っており、約1100タイトルが提供される。この他にも大阪市立図書館や秋田県立図書館など、54館ほどが同様のサービスを行っているとされる。

  1-2-3. 図書館における音楽・動画配信サービス

 音源を配信するサービスである国立国会図書館の「歴史的音源」では、著作権の保護期間が終了したものを公開しており、国立国会図書館や参加公共図書館に来館すると、提供される全音源を聞くことができる。また、2005年よりナクソス・ミュージック・ライブラリーによる音楽配信が開始されている。このサービスにおいては、公共図書館はアクセス権を購入し、利用者は図書館でIDとパスワードを入手することでアクセスが可能となり、自宅で音楽を聞くことが出来るのである。2008年の岐阜市立図書館での導入を皮切りに、2016年6月現在では全国で130の図書館が導入しているという。

 動画の配信に関しては、国立国会図書館デジタルコレクションにおいて、NPO法人化学映像館を支える会によってデジタル化され、提供されたものが閲覧可能である。しかし、公共図書館においては配信用動画や放送番組は資料収集の対象になっていない。インターネットによる公衆送信を前提とした契約処理がなされていない過去の動画や、肖像権の問題などで、放送会社で作成されたコンテンツそのものを利用者に提供・配信している事例は少ない。

2. 今後の日本の公共図書館の展開

 第1章を受けて、本章では私見を交えて電子図書館サービスという観点からの公共図書館の課題と今後の展望を述べる。

 公共図書館の現状を踏まえると、動画配信が課題として残されているように思える。公共図書館が今後採るべき方向性は、動画の配信自体を目的として契約の更新や肖像権の取得といった問題に重きを置いて労力をかけるのではなく、そもそも図書館において収集すべき情報資源とは何かという点に立ち返り、如何なる動画を収集・配信すべきかを検討することである。図書館法に挙げられる、土地の事情、一般公衆の希望、学校教育の援助、家庭教育の向上等の考慮要素を踏まえるとともに、保存が目的のデジタル・アーカイブとの役割分担を意識して、如何なる情報資源がネットワーク上の動画配信に適切かを決断して、その提供に向けて努力すべきである。現在抱えている動画配信に関する課題は、「動画」という情報資源一般の配信を想定するため生じる問題である。直接来館しDVD等の貸出を行う以上に、ネットワークを利用して配信すべき積極的な理由が生じる資料にまず限定するなど優先順位をつけて、その契約や権利の取得を講じることが望ましい。

以上です。

講評としては、「総評基準についてのメッセージ」にある通り、形式面での整理が評価されていました。レポートの書き方と、テキストの内容理解が問われる科目かなという印象です。

余談ですが、先日のKULeDにおいて、本科目のテキストについてのお詫びが掲載されていましたね。

文章が稚拙であることに関しては、そもそもこの科目のテキストに限ったことではないように思われます。少なくとも近畿大学の通信教育に関しては、テキストを読んで自学することが基本となっているので、より高級なテキストを指定するべきだと常々思っています。(ただ、日本における図書館に関する学問の研究が詰められておらず、確立された基本書となるべき教科書も存在しない、という事情もあるのかな~とも思っています。)

素晴らしい研究者がすなわち素晴らしい教育者であるとは限りませんから、大学側は意識して教員およびテキスト選びを行うべきです。

以下は私の所感ですが、テキストを自らの大学出版に拘っているために生じた不利益のように思われます(なぜ自らの大学出版に拘るのかについては想像に難くないでしょう)。

教える内容であるところの研究を詰めることが本業であるべきなのに、学内での授業に加えてテキスト作成まで押付けられて、研究の内容もテキストの内容もお粗末なものになってしまっていて(そしておそらくそれらによって評価されていて)、教員の先生方が心底気の毒です。先生方の時間も体力も有限ですから、本当はあの山を登りたいのに、、と思いながらその隣の山を一生懸命登っている気持ちかもしれないです。本来であれば、図書館に関する学問の研究をもっと詰めるべきだというのは、通常の判断力をお持ちの研究者であれば身に沁みてご理解なさっていることでしょう。

色々と大人の事情があるのかもしれませんが、さしあたりは外部の出版のものでも最も適切なテキストとなり得るものをテキストとして指定し、それを参照しながら其々の科目を専門とする教員に教育を委ねるのが望ましいように思われます。

同じように大学内で研究をする身であれば、色々と伝手を辿って申し上げることもできたのかな~と思うと、大学院を中退してしまったのを悔しく思ってしまいますね。

研究者には研究者の社会があって、一旦そのレールを外れてしまうと容易には近づけなくなってしまうことは、本当にもったいないなあと思います。違ったものを見ている人たちこそ、見えないものを見せてくれるのに。

色んな既得権益で偏った意見だらけで、仲間割れしないで安定はしているのかもしれないですけど。(笑)

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