コンテンツへ移動
広告

5801 図書・図書館史 レポート

 

図書・図書館史のレポート作成について書きます。

レポート設題集は使用期間平成27年4月1日~平成29年3月31日のものを使用しています。

また、勉強の流れについてはこの記事で、レポートの書き方一般についてはこの記事で説明していますので、併せて一読頂けると以下の記事も読みやすいかと思われます。

繰り返しになりますが、丸写しのレポートは再提出になりやすいようなので、参考にとどめてください。

1. 設題の分解と書き出し

レポート設題は次のようなものでした。

「日本または西洋のどちらかを選び、それぞれの時代(古代、中世、近世、近代以降)の図書館発展の特徴を骨太に要約し、かつ私見(400字以内)を述べてください。(私見を含めて2,000字以内)」

本設問で求められていることは、次のように整理できます。

①日本または西洋のどちらかを選び、図書館発展の特徴を要約する。

②(図書館の発展に関連した)私見を400字で述べる。

私は西洋の図書館発展をテーマに選択いたしました。

日本と西洋のいずれを選ぶべきか迷いましたが、高校時代に世界史を選択しており比較的親しみが感じられたため、西洋について執筆することに決めました。

どちらもテキストに十分な情報はありますので、好きな方を選んでいいと思います。

 

2. 設題①と設題②

①日本または西洋のどちらかを選び、図書館発展の特徴を要約する。

テキストを参考に、各時代における図書館の在り方をまとめます。

まとめる作業に入る前に、レポート問題集における留意事項、ポイントの欄や総評基準をよく熟読してください。

字数制限が厳しいので、重きを置くポイントを考えてバランスのとれた論考が要求されます。

私は利用者の変化と印刷出版などのメディアの変遷を意識して、時代ごとの図書館発展を論じました。

また「バランスのとれた」というのは、字数の割合におけるバランスではありません

テキストにおいて、各時代の説明に割かれている紙幅の割合に対応して、レポートを構成しました。

したがって、私の解答においては近代以降についての論述がかなりの割合を占めています。

以下が設題①について作成した解答です。

 

1.古代

 ニネヴェの王室図書館は世界最古のもので、様々な分野の粘土板図書が収集された。アレクサンドリア図書館はパピルス資料を手広く収集しており、図書館で生産された写本が市販されることもあった。ペルガモン図書館においては、書写材料としてパーチメントが用いられた。古代の学校文庫の代表的なものとしては、アリストテレスの文庫が挙げられる。ローマの公共図書館は身分に拘りなく無料で利用できた点で、現代の図書館と共通点が見出される。

2.中世

 中世初期には、図書館は修道院に付随していた。写本室で写字生によって図書の書写が行われたように、図書の生産に時間がかかるため、本は貴重品とされた。パピルスの巻軸図書に代わって羊皮紙本が流通し、装飾を施すなどの技巧を凝らした図書も生産された。修道院図書館は、モンテ・カシーノ修道院図書館のように、文献の書写の仕事を労働として課したり、宗教以外の分野の図書も収集したりと、信仰の場であると同時に図書生産、文化保存の役割を果たすものであった。中世後期には大学が誕生し、大学図書館は学問研究に主軸をおいたものとして展開された。また、この時代の図書館においては、参考図書や貴重図書は鎖付き本として閲覧された。幽閉的な印象がある修道院図書館が中世の図書館の中心であったところ、ヴァチカン図書館は公開制へと図書館を導いた先例とされる。

3.近世

 15世紀にドイツのグーテンベルクによって活版印刷術が発明され、安価で大量に印刷できる刊本の流通が盛んになり、図書館も変容する。鎖付き本は減少し、本は書架に並べられて公開が促された。また、書写室は消滅し印刷所が本の生産を行うようになった。図書が大量に生産され、貸出が行われ、公開が促進された時代であった。活版印刷術はルターの宗教改革を助けたが、彼の思想が広まったことで、既存の教会による図書館を壊し、市立図書館などの新たな図書館の設立につながった。

4.近代以降

4-1.フランス

 フランスにおける百科全書派の思想は図書館の在り方にも影響し、普遍と総合を兼ね備えた図書館という理想が追求された。フランス王室図書館は一般公衆に対して開かれたものであったが、フランス革命によって国立図書館と改称され、公共性の認識が一層強まった。また、納本制度も法定された。私的な図書館であるマザラン図書館や、その他の修道院図書館も公共的な図書館や大学へと変容していった。

4-2.イギリス

 イギリスの王室図書館が国立図書館へと進展したのは、スローン卿、コットニアン、ハーレイアンのコレクションによる大英博物館図書館の公開が契機となっている。大英博物館図書館においては、パニッツィによって目録規則が作られたり、閲覧室と書庫を分離させたりといった発展が見られた。大学図書館として挙げられるのは、オックスフォードとケンブリッジがある。公共図書館が発展する以前には、教区図書館や職工学校の図書館、会員制図書館が先駆的に公共図書館のサービスを賄っていた。エワートやエドワーズらの働きによって公共図書館法が制定され、続々と公共図書館が設立されるに至った。

4-3.ドイツ

 王侯貴族による図書の収集に加えて、貴族以外のものによる私設の文庫も盛んとなった。活版印刷術の普及は目覚ましく、16世紀には刊本が図書館の蔵書の多くを占めた。宗教改革や農民戦争の際に修道院図書館は荒廃され、被害を免れた蔵書は市立図書館や王侯文庫、大学図書館に受け継がれた。

4-4.アメリカ

 アメリカ初の図書館はハーバード大学図書館であったが、蔵書は教師のための図書が中心であった。イギリスと同様に会員制図書館が数多く開設され、中でもフィラデルフィア図書館会社による会員制図書館は中流階級やそれ以下の貧しい人々を対象とした、公共図書館の先駆的なものであった。法的根拠に基づいた公共図書館は、ボストン図書館が最初のものである。1976年にはアメリカ図書館協会が設立され、その後の振興を支えた。

 

②(図書館の発展に関連した)私見を400字で述べる。

さて、レポート設題では「私見を述べてください」という指示にとどまり、何について書くかは明らかにされていません。

しかし、直前に要約を求めていることから、これを踏まえた私見の論述が自然な流れであるように思われます。

図書館の発展の特徴を要約しているので、今後の図書館の在り方・発展の方向性について私見を展開しました。

 

 本稿の考察より、図書館の在り方は、時代のニーズに応えて発展してきたといえる。情報化社会の現代においては、その情報に翻弄されず、活用することが人々の大きなニーズとなっている。図書館はこれに応えるべく、より良いサービスの展開が目指されるのである。様々な情報の中で、何が図書館情報資源として相応しいかに立ち戻り、さらに、その情報資源を提供するに適切なサービスの展開が期待されるであろう。一つの具体例としては、電子書籍サービスや、来館せずに利用できる電子図書館の今後の発展が期待される。利用者はこれらを利用することで、情報資源に触れて情報を得ることと同時に、電子書籍を閲覧するための機器の使い方の会得も期待できる。新たなサービスの展開に注視したい。

 

3. 解答例

 

以上を踏まえて、私が作成したレポートの全体がこちらです。

 

 本稿は西洋における図書館発展の特徴をまとめ、私見を展開するものである。

1.古代

 ニネヴェの王室図書館は世界最古のもので、様々な分野の粘土板図書が収集された。アレクサンドリア図書館はパピルス資料を手広く収集しており、図書館で生産された写本が市販されることもあった。ペルガモン図書館においては、書写材料としてパーチメントが用いられた。古代の学校文庫の代表的なものとしては、アリストテレスの文庫が挙げられる。ローマの公共図書館は身分に拘りなく無料で利用できた点で、現代の図書館と共通点が見出される。

2.中世

 中世初期には、図書館は修道院に付随していた。写本室で写字生によって図書の書写が行われたように、図書の生産に時間がかかるため、本は貴重品とされた。パピルスの巻軸図書に代わって羊皮紙本が流通し、装飾を施すなどの技巧を凝らした図書も生産された。修道院図書館は、モンテ・カシーノ修道院図書館のように、文献の書写の仕事を労働として課したり、宗教以外の分野の図書も収集したりと、信仰の場であると同時に図書生産、文化保存の役割を果たすものであった。中世後期には大学が誕生し、大学図書館は学問研究に主軸をおいたものとして展開された。また、この時代の図書館においては、参考図書や貴重図書は鎖付き本として閲覧された。幽閉的な印象がある修道院図書館が中世の図書館の中心であったところ、ヴァチカン図書館は公開制へと図書館を導いた先例とされる。

3.近世

 15世紀にドイツのグーテンベルクによって活版印刷術が発明され、安価で大量に印刷できる刊本の流通が盛んになり、図書館も変容する。鎖付き本は減少し、本は書架に並べられて公開が促された。また、書写室は消滅し印刷所が本の生産を行うようになった。図書が大量に生産され、貸出が行われ、公開が促進された時代であった。活版印刷術はルターの宗教改革を助けたが、彼の思想が広まったことで、既存の教会による図書館を壊し、市立図書館などの新たな図書館の設立につながった。

4.近代以降

4-1.フランス

 フランスにおける百科全書派の思想は図書館の在り方にも影響し、普遍と総合を兼ね備えた図書館という理想が追求された。フランス王室図書館は一般公衆に対して開かれたものであったが、フランス革命によって国立図書館と改称され、公共性の認識が一層強まった。また、納本制度も法定された。私的な図書館であるマザラン図書館や、その他の修道院図書館も公共的な図書館や大学へと変容していった。

4-2.イギリス

 イギリスの王室図書館が国立図書館へと進展したのは、スローン卿、コットニアン、ハーレイアンのコレクションによる大英博物館図書館の公開が契機となっている。大英博物館図書館においては、パニッツィによって目録規則が作られたり、閲覧室と書庫を分離させたりといった発展が見られた。大学図書館として挙げられるのは、オックスフォードとケンブリッジがある。公共図書館が発展する以前には、教区図書館や職工学校の図書館、会員制図書館が先駆的に公共図書館のサービスを賄っていた。エワートやエドワーズらの働きによって公共図書館法が制定され、続々と公共図書館が設立されるに至った。

4-3.ドイツ

 王侯貴族による図書の収集に加えて、貴族以外のものによる私設の文庫も盛んとなった。活版印刷術の普及は目覚ましく、16世紀には刊本が図書館の蔵書の多くを占めた。宗教改革や農民戦争の際に修道院図書館は荒廃され、被害を免れた蔵書は市立図書館や王侯文庫、大学図書館に受け継がれた。

4-4.アメリカ

 アメリカ初の図書館はハーバード大学図書館であったが、蔵書は教師のための図書が中心であった。イギリスと同様に会員制図書館が数多く開設され、中でもフィラデルフィア図書館会社による会員制図書館は中流階級やそれ以下の貧しい人々を対象とした、公共図書館の先駆的なものであった。法的根拠に基づいた公共図書館は、ボストン図書館が最初のものである。1976年にはアメリカ図書館協会が設立され、その後の振興を支えた。

5.私見

 本稿の考察より、図書館の在り方は、時代のニーズに応えて発展してきたといえる。情報化社会の現代においては、その情報に翻弄されず、活用することが人々の大きなニーズとなっている。図書館はこれに応えるべく、より良いサービスの展開が目指されるのである。様々な情報の中で、何が図書館情報資源として相応しいかに立ち戻り、さらに、その情報資源を提供するに適切なサービスの展開が期待されるであろう。一つの具体例としては、電子書籍サービスや、来館せずに利用できる電子図書館の今後の発展が期待される。利用者はこれらを利用することで、情報資源に触れて情報を得ることと同時に、電子書籍を閲覧するための機器の使い方の会得も期待できる。新たなサービスの展開に注視したい。

 

テキストの他に参考にした文献は、綿拔豊昭ほか『図書・図書館史』(学文社、2014年)です。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。