5704 図書館制度・経営論 レポート

図書館制度・経営論のレポート作成について書きます。

レポート設題集は使用期間平成27年4月1日~平成29年3月31日のものを使用しています。

また、勉強の流れについてはこの記事で、レポートの書き方一般についてはこの記事で説明しています。

これらの記事を併せて一読頂けると、以下の解説が読みやすくなると思われます。

繰り返しになりますが、丸写しのレポートは再提出になりやすいようです。

レポートの一部及び全部を掲載しておりますが、これらはご自身の執筆の参考にとどめてください。

 

1. 設題の分解と書き出し

本科目のレポート設題は以下の通りです。

「図書館の専門職(専門的職員)が行うべき業務にはどのようなものがあるかを挙げ、それぞれ述べるとともに「これからの図書館像」(報告)を考察し、専門職としての司書のあるべき姿を論ぜよ。」

この設題から、具体的に答えるべき設題を抽出すると、次の3点となります。

①図書館の専門職が行うべき業務を列挙し、内容を説明する。

②「これからの図書館像」(報告)の内容を考察する。

③②の考察を踏まえて、望ましい司書の在り方に関する私見を展開する。

以上3つの設題に答えるレポートの導入として、以下の文章を作成いたしました。

 

本稿は、図書館の専門的職員が行うべき業務について述べるとともに、「これからの図書館像」(報告)を考察した上で、専門職としての司書のあるべき姿について筆者の私見を展開するものである。

 

また、これら本設題に答える執筆を行う上で必要な参考書に『「これからの図書館像」(報告)』があります。

以前は文部科学省ホームページで公開されていたと思うのですが、現在はアーカイブ上でしか見つかりませんでした。(2016年12月14日確認)

お近くの図書館に蔵書があると思うので、借りて読むと良いでしょう。

 

 

2. 設題①、設題②、設題③

①図書館の専門職が行うべき業務を列挙し、内容を説明する。

まず、設題①について説明します。

最初に、「図書館の専門職」という言葉について説明すると良いでしょう。

127-128頁を参考に、専門的職員について語句を説明します。

私は毛利先生の説に乗っかって、司書資格だけでなく専門性が要求されることに言及しています。

 

そのような専門的職員が行うべき業務が128頁以降に列挙されているので、コンパクトにまとめていきます。

ここでは、大学図書館の例であることに限定することに注意しましょう。

 

以上を踏まえて作成した設題①部分の解答がこちらです。

 

図書館における専門的業務として、毛利(2012)は以下のようなものを挙げる。

①レファレンス業務 レファレンスサービスに関する業務で、専門知識に基づいた、主題質問の処理や書誌の適切な提供や指導が期待される。

②選定業務 図書館にとって望ましい蔵書構成を意識した資料を収集する必要があり、主題や教養に関する専門知識に加えて、自館の適切な現状の把握が求められる。

③分類・目録業務 図書の分類や目録作成は、有効に資料が活用されるための準備作業である。適切な業務遂行にあたっては、深い主題知識や書誌学知識が求められる。

④情報調査業務 様々なツールを駆使して情報を入手する業務であり、サーチャー的資質とレファレンスツール全体の専門的知識が要求される。

⑤文献探索指導業務 利用者に対して文献の検索方法を指導する業務で、高度な主題知識やレファレンスツールに関する知識が不可欠である。

⑥視聴覚資料利用指導業務 視聴覚資料を活用し、適切に利用者に提供するためには、これら資料に関する知識と、付属する機器自体とその使い方の理解が欠かせない。

⑦コンピュータ操作指導業務 大学によっては、学習・レポート作成にコンピュータ操作が要求される場合もあり、それらの操作方法等の知識が要求される業務である。

上記の7種類に加えて、公共図書館では、児童を対象とした業務、郷土資料などの特殊な分野に関するレファレンス業務、障がい者を対象とした業務などが、専門的業務として行われている。

これらが専門的業務とされる所以は、業務に従事する者の自覚や専門的力量などの度合いによって、実際の業務の内容や、利用者が受け取るサービスの内容に差が出るため、専門的職員によって遂行されることが望ましい点にあると思われる。これを踏まえると、図書館における専門的職員とは通常は司書資格を持つものを指すが、単に資格を有するのみでは足りず、プロ意識を持って絶え間なく自己の研鑽を行うものこそ、専門職と呼ぶにふさわしいだろう。

 

②「これからの図書館像」(報告)の内容を考察する。

設題②について説明します。

まず、「これからの図書館像」(報告)がどのようなものであるかを説明します。

網羅的に内容を説明する紙幅の余裕はないので、概要にとどめました。

また、本報告は2章構成で、報告の本体は第2章となっています。

ここで意識すべきは、レポートの到達点は司書のあるべき姿についての私見の展開である、ということです。

そのため、今後の図書館の方向性すべてに言及する必要はないでしょう。

さらに字数制限の観点から、設題②で扱う範囲を狭めてでも、設題③に紙幅を割いて、求められる論理=私見を深めるべきと考えられます。

以上の理由より、考察する範囲を第2章3(9)図書館職員の資質向上と教育・研修 に限定して、内容を説明しました。

 

本稿は、司書のあるべき姿を考察の到達点としている。したがって、本章においては「これからの図書館像」(報告)の全体を概観するのではなく、関係の深い論点に絞って考察したい。

「これからの図書館像」(報告)は、図書館運営にあたって求められる視点や方策をまとめ、各々の図書館の改革の指針として役立つように提言されたものである。2章構成をとっており、第1章においては、対象者別に導入となる呼びかけがなされている。第2章は具体的提言の中身が論じられている。

まず第1章に関してであるが、図書館で働く人々に対して、意識改革に重点を置いた呼びかけがなされている。すなわち、①図書館は課題解決、問題解決の役割を担うものであること、②貸出返却業務以外の業務の重要性、③地域における自館の状況の把握、④様々な諸機関との連携推進、⑤図書館計画等の確実な実行、⑥ボランティア等受け入れの推進といったものである。

続く第2章の第3項(9)には「図書館職員の資質向上・研修」というパラグラフがある。ここでは①図書館職員の資質向上、②図書館職員の研修・リカレント教育、③司書の養成、④専門主題情報担当者の教育、という4項目が挙げられ、それぞれ具体的な提言となっている。

 

③②の考察を踏まえて、望ましい司書の在り方に関する私見を展開する。

設題③について説明します。

本設問においては、②から読み取れること+③望ましい司書の在り方(=私見)を述べました。

②より、報告において図書館職員の資質向上・研修が目指されていることから、専門性の高度化が求められていることがわかります。

私はその方向性に賛同した上で、具体的にどう仕事に関わるべきかを(ふわっと)論じました。

以前大学の図書館でアルバイトをしていた経験があるのですが、専門職員としての働きに着目していなかったことを残念に思いました。

もっとキラッと光るような私見が書けたかもしれないのに~。

 

「これからの図書館像」(報告)の第2章第3項(9)における4つの提言の背景には、司書を含む図書館職員を専門職たらしめるよう、その業務の専門性の高度化を目指す方向性があるように思われ、筆者はこれに賛成である。人々が求める知識や情報を得て、情報化社会を生き抜き、或は生涯学習に活かすための基盤として、図書館はその役割を十分に果たす余地があるように思われる。

そのような図書館における、専門職としての司書のあるべき姿とは、すなわち、専門家としての自覚を持って業務に携わることである。具体的には、専門職としての司書は、事務的、非専門的な業務の遂行だけでなく、本稿第1章で取り上げたような、専門職としての技術を要する業務に、一層のエネルギーを投入すべきであると思われる。そのような専門的業務を遂行するに足る人物となるための自身の研鑽を続け、図書館はどうあるべきかのビジョンを持った人物こそが、専門職としての司書のあるべき姿と思われる。

本稿では専門的職員としての司書の業務や今後の展望について考察した。いつの日か筆者自身が司書として業務に携わる日が来れば、自分がどのように動けば司書であることの最大限の効果を社会に還元できるのか、常に意識しておきたい。

 

3. 解答例

 

以上を踏まえて、私が作成したレポートがこちらです。

 

本稿は、図書館の専門的職員が行うべき業務について述べるとともに、「これからの図書館像」(報告)を考察した上で、専門職としての司書のあるべき姿について筆者の私見を展開するものである。

1.図書館の専門職が行うべき業務

図書館における専門的業務として、毛利(2012)は以下のようなものを挙げる。

①レファレンス業務 レファレンスサービスに関する業務で、専門知識に基づいた、主題質問の処理や書誌の適切な提供や指導が期待される。

②選定業務 図書館にとって望ましい蔵書構成を意識した資料を収集する必要があり、主題や教養に関する専門知識に加えて、自館の適切な現状の把握が求められる。

③分類・目録業務 図書の分類や目録作成は、有効に資料が活用されるための準備作業である。適切な業務遂行にあたっては、深い主題知識や書誌学知識が求められる。

④情報調査業務 様々なツールを駆使して情報を入手する業務であり、サーチャー的資質とレファレンスツール全体の専門的知識が要求される。

⑤文献探索指導業務 利用者に対して文献の検索方法を指導する業務で、高度な主題知識やレファレンスツールに関する知識が不可欠である。

⑥視聴覚資料利用指導業務 視聴覚資料を活用し、適切に利用者に提供するためには、これら資料に関する知識と、付属する機器自体とその使い方の理解が欠かせない。

⑦コンピュータ操作指導業務 大学によっては、学習・レポート作成にコンピュータ操作が要求される場合もあり、それらの操作方法等の知識が要求される業務である。

上記の7種類に加えて、公共図書館では、児童を対象とした業務、郷土資料などの特殊な分野に関するレファレンス業務、障がい者を対象とした業務などが、専門的業務として行われている。

これらが専門的業務とされる所以は、業務に従事する者の自覚や専門的力量などの度合いによって、実際の業務の内容や、利用者が受け取るサービスの内容に差が出るため、専門的職員によって遂行されることが望ましい点にあると思われる。これを踏まえると、図書館における専門的職員とは通常は司書資格を持つものを指すが、単に資格を有するのみでは足りず、プロ意識を持って絶え間なく自己の研鑽を行うものこそ、専門職と呼ぶにふさわしいだろう。

2.「これからの図書館像」(報告)考察

本稿は、司書のあるべき姿を考察の到達点としている。したがって、本章においては「これからの図書館像」(報告)の全体を概観するのではなく、関係の深い論点に絞って考察したい。

「これからの図書館像」(報告)は、図書館運営にあたって求められる視点や方策をまとめ、各々の図書館の改革の指針として役立つように提言されたものである。2章構成をとっており、第1章においては、対象者別に導入となる呼びかけがなされている。第2章は具体的提言の中身が論じられている。

まず第1章に関してであるが、図書館で働く人々に対して、意識改革に重点を置いた呼びかけがなされている。すなわち、①図書館は課題解決、問題解決の役割を担うものであること、②貸出返却業務以外の業務の重要性、③地域における自館の状況の把握、④様々な諸機関との連携推進、⑤図書館計画等の確実な実行、⑥ボランティア等受け入れの推進といったものである。

続く第2章の第3項(9)には「図書館職員の資質向上・研修」というパラグラフがある。ここでは①図書館職員の資質向上、②図書館職員の研修・リカレント教育、③司書の養成、④専門主題情報担当者の教育、という4項目が挙げられ、それぞれ具体的な提言となっている。

3.私見:専門的職員としての司書のあるべき姿

「これからの図書館像」(報告)の第2章第3項(9)における4つの提言の背景には、司書を含む図書館職員を専門職たらしめるよう、その業務の専門性の高度化を目指す方向性があるように思われ、筆者はこれに賛成である。人々が求める知識や情報を得て、情報化社会を生き抜き、或は生涯学習に活かすための基盤として、図書館はその役割を十分に果たす余地があるように思われる。

そのような図書館における、専門職としての司書のあるべき姿とは、すなわち、専門家としての自覚を持って業務に携わることである。具体的には、専門職としての司書は、事務的、非専門的な業務の遂行だけでなく、本稿第1章で取り上げたような、専門職としての技術を要する業務に、一層のエネルギーを投入すべきであると思われる。そのような専門的業務を遂行するに足る人物となるための自身の研鑽を続け、図書館はどうあるべきかのビジョンを持った人物こそが、専門職としての司書のあるべき姿と思われる。

本稿では専門的職員としての司書の業務や今後の展望について考察した。いつの日か筆者自身が司書として業務に携わる日が来れば、自分がどのように動けば司書であることの最大限の効果を社会に還元できるのか、常に意識しておきたい。

 

参考文献は以下の通りです。

これからの図書館の在り方検討協力者会議「これからの図書館像」(報告)

柳与志夫『図書館経営論』(学文社、2007年)

久保輝巳『図書館司書という仕事[改訂版]』(ぺりかん社、1994年)

宮沢厚雄『図書館経営論[改訂版]』(勉誠出版、2006年)

手嶋孝典編『図書館制度・経営論 [ベーシック司書講座・図書館の基礎と展望5]』(学文社、2013年)

永田治樹編『JLA図書館情報学テキストシリーズⅢ 2 図書館制度・経営論』(日本図書館協会、2016年)

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中