
三浦春馬という素晴らしい俳優がこの世界を去って1ヶ月。
生前にフォロー出来ていなかった映像作品や、数々のインタビューを追って、彼が私たちに残してくれたものを考えています。
「はたらき」という言葉
近年のインタビューや授賞式のスピーチで、「はたらき」という言葉を何度も彼が使っていることに気づきました。
目の前の仕事に「はたらき」を見出す。
役者という役割を受けた自分が、演じること、表現することによって何ができるかを考える。
仕事とは自分を役立てることなんだ、と繰り返し語っておられる松浦弥太郎さん。その仕事観を想起させるような、光に満ちたスピーチでした。

三浦春馬君と同世代の筆者ですが、ここ数年は自らの仕事について、或は人生について同じような感覚を持っています。
自分を世の中で役立てられるような「はたらき」をしたい。
何をしたいかというよりも、どのように自分を使うか。
好きな仕事をするより、目の前の仕事を好きになろう。
常に自分を研鑽し、より良くはたらくために向上していこう。
「はたらき」を語ったその瞬間に何を思っていたのか、何を考えていたのか。
彼が鬼籍に入った今となっては、残されている映像や対談以上のことを確かめることは出来ない。
死者は何も語らない。生きているものが、そこに何かを読み取るだけ。
NHKの国際共同制作 特集ドラマ「太陽の子 GIFT OF FIRE」の試写会において、春馬君は次のように語りました。
僕たちの仕事は想像力を皆様に届ける仕事ですし、この作品を通してみなさんが戦争というものを考える大きなきっかけになればと思っています。
石村裕之 役・三浦春馬さん コメント
春馬君、素晴らしいお芝居をありがとう。
あなたがいなくなってしまった世界ではあるけれど、三浦春馬という俳優の演技に感動し、衝撃を受け、温められて、今日をより良く生きていこうと思う。
仕事を通して、社会のために、人のために、自分を役立てていくこと。
春馬君が人生を通して教えてくれたことを心に留めて、仕事をして、人を大切にしていこうと思う。