5707 児童サービス論 レポート解説

児童サービス論のレポート作成について書きます。 レポート設題集は使用期間平成27年4月1日~平成29年3月31日のものを使用しています。 また、勉強の流れについてはこの記事で、レポートの書き方一般についてはこの記事で説明していますので、併せて一読頂けると以下の記事も読みやすいかと思われます。 繰り返しになりますが、丸写しのレポートは再提出になりやすいようなので、参考にとどめてください。 本設題においては、模範解答のようなものが想定されており、それに対して必要十分な解答が作成できるかが合否を分かつポイントだと思います。 (試験問題なら兎も角、あまり自由度のないレポートの設題は適切なのかな、と疑問に思いますが、求められる解答が重箱の隅を突くようなものではなく、児童サービス論の科目における本質を考えさせるものだと思うので、今回に限って言えば適切な出題かなという印象です。) 私は3回目で漸く合格することができました。 1. 設題の分解と書き出し 児童サービス論の設題は以下のようなものでした。 「「読書の楽しみ」が子どもの成長に果たす役割を述べ、児童サービスの必要性を説いてください。そして子どもと本を結ぶために、あなたならどのような働きかけをしますか。具体的に述べて下さい。」 この設問で聞かれていることを強調すると、 「「読書の楽しみ」が子どもの成長に果たす役割を述べ、児童サービスの必要性を説いてください。そして子どもと本を結ぶために、あなたならどのような働きかけをしますか。具体的に述べて下さい。」 と、重きを置くことが出来ると思います。 再提出の際に講評で教えていただいたこととも重複しますが、本設題には3つの設問があり、それに確実に解答する骨組みを採るレポートが合格を頂けるものとなるでしょう。即ち、 ①「読書の楽しみ」が子どもの成長に果たす役割を述べる。 ②児童サービスの必要性を述べる。 ③自身が図書館の司書として子どもと本を結ぶ働きかけを具体的に述べる。 また、とにかくテキストを読むことと、参考文献を必ず挙げることをご指摘いただきました。 テキスト理解が基本となることについてはレポートの書き方の記事で既に述べましたかと思いますが、今回は特に意識されると良いでしょう。 2. 設題①、設題②、設題③ 2-1. 設題① まず、「読書の楽しみ」が子どもの成長に果たす役割を述べますが、テキストの1~3頁を参考に述べると良いようです。 ここにおいては終末試験解答案の1.2.が参考になると思います。 2回目の提出の際の講評では、①においてさらに詳しく述べるようにアドバイスを頂いたので、ポイントを書き落とさないよう、詳しすぎるくらい説明して良さそうです。 まず「読書の楽しみ」とはどのようなものか説明し、そのような楽しみが子どもの成長においてどのように寄与するのかを説明します。 「読書の楽しみ」の役割は特に精神面での子どもの成長を促すことですが、精神面での成長が促されるとはどういうことかを意識して説明しました。 設題①は以下のようにまとめられました。 まず、「読書の楽しみ」とは何か、そして子供の成長において果たされる役割について述べる。  思うに、子どもにとっての「読書の楽しみ」とは、読書によってもたらされる強い心の体験や感情の起伏のことである。即ち、子どもは本を読んでもらい、或は自分で本を読むと、想像力を働かせて本の中に入り込み、主人公や登場人物となって考え行動し、その結果の喜怒哀楽を味わうのである。子どもにとってこの体験は面白く、感動として心を揺さぶられる。 このような「読書の楽しみ」は、子どもの精神面での成長を促す。既述のような読書体験を積み重ねることで、子どもの中に本の中での体験が蓄積されていく。本の中での楽しい経験や苦しい経験から、思いやりや優しさといった感性を育むとともに、思考力や判断力といった知性も醸成され、感性と理性が相まって子どもの精神を鍛えてゆくのである。また、このような読書は子供が発達成長していくにつれて多様なものとなる。子どもが成長するに伴って、より複雑な物語も読むようになったり、科学読み物によって科学をする心が芽生えたり、さらに年齢が高くなれば自身の趣味に沿う実用書にも関心を持つようになったりするのである。読書を通して子どもは自身の好みや興味関心、得手不得手など自分を知り、将来の展望について考えることが可能となる。 2-2. 設題② 次に、児童サービスの必要性を述べますが、ここはテキストのp.15とp.16を参考に述べていきました。 また、設題が3つ明確に指示されているとはいえ、 「「読書の楽しみ」が子どもの成長に果たす役割とは…である。 児童サービスの必要性とは…である。 子どもと本を結ぶために、私なら…という働きかけをする。」 というように機械的にぶつ切りの解答を作成するのは横着な印象です。 明確に指示されている設題に対して、流れるような解答を作成して先生の要求に応えるのが敬意のある態度であるように思われます。 したがって、設題①で述べた読書の楽しみの重要性を踏まえて、それが失われつつある現状であるところの、「読書離れ」に簡単に言及し、それに対抗するための手立てとして児童サービスに触れました。 その上で、児童サービスの必要性を述べていきます。 一般的に、○○の必要性がある/必要であるという場合、往々にして現状における不備や不足、問題点などが前提となります。 まずそれらの不備不足、問題点に言及すると、必要性の議論に流れやすいでしょう。 なぜ必要なのかを述べることです。 以上より、設題②は次のようにまとめられます。  以上のように、「読書の楽しみ」は子どもの成長を促すものとして重要であるが、近年においては子供の読書離れが問題となっている。この現状を踏まえ、図書館における児童サービスでは働きかけが特に重視されている。  児童サービスとは、子どもに読書の喜びを知ってもらうために公共図書館が行っているサービスで、子どもの読書の意義を認め、子どもと本を結びつけ、子どもが読書の楽しみを知って定着するように奨励する、様々な活動や工夫、配慮やそのための環境づくりや条件整備を含めたものである。  上記の児童サービスが提供される公共図書館には、社会的機能として次の働きが期待される。子どもが地域の図書館へ行くと、老若男女様々な人や子どもと出会う。そして、子どもは図書館の蔵書の利用を通じて、皆の物である本を共有している、という感覚を養う。このようにして、子どもが他者を知り社会というものに気づき、それらと繋がっているという感覚を育てていくことが、図書館の持つ社会的な働きと言える。さらに、子どもは読書の楽しみを見出して図書館へ通うことで、図書館に自分の居場所を見つける。この自分の図書館であるという気持ちが強くなると、ルールを守って大切にしようとする。これが「公共性」への理解へと繋がるため、幼い頃から子供を図書館に連れていくことには意義がある。 2-3. 設題③ ここでは、自身が図書館の司書として子どもと本を結ぶ働きかけを具体的に述べますが、特に専門職である司書として行える働きかけについて述べることが求められています。 すなわち、まず図書館の直接サービスと間接サービス(テキストのp.45からp.54)にはどのようなものがあるかを列挙し、その上で自身が有効と思われる働きかけに重点を置いて論じると良さそうです。 図書館の直接サービスと間接サービスを列挙するのは、3回目の提出に先立ってアドバイス頂いたことによります。 設問との関係において、なぜ列挙すべきなのかは私には理解できませんでしたが、テキストの理解が求められているという意味では必要だったのかな、と今は思っています。 (レポートを通してしか、自身が勉強したことをアピールする手立てがありませんので。) それらを踏まえて、設題③は以下のようにまとめました。  続いて、子どもと本を結ぶ働きかけについて私見を述べる。「読書の楽しみ」が子どもの成長にとって重要であるのは既に述べたが、これを感じるには読書が押付けられたり強制されたりせず、自らの意志において読書をすることが肝要である。この点を踏まえて司書が出来る仕事とは、「読書の楽しみ」を与えてくれる本の存在を知らせることである。自分の興味関心に沿う本の存在を知ることで、子どもは自発的に本を読み、「読書の楽しみ」を見つけると期待できることから、以下の働きを重視したい。 … Continue reading 5707 児童サービス論 レポート解説

5709 図書館情報資源概論 レポート(及び、KULeDのお詫びについての所感)

図書館情報資源概論のレポート作成について書きます。 レポート設題集は使用期間平成27年4月1日~平成29年3月31日のものを使用しています。 また、勉強の流れについてはこの記事で、レポートの書き方一般についてはこの記事で説明していますので、併せて一読頂けると以下の記事も読みやすいかと思われます。 繰り返しになりますが、丸写しのレポートは再提出になりやすいようなので、参考にとどめてください。 本科目のレポートについては、設題集の「レポート作成上の留意事項・ポイント」、「総評基準についてのメッセージ」を意識して作成すればほぼ合格点に達しうるよう、内容を作りやすいものだという印象があります。 1. 設題の分解と書き出し 図書館情報資源概論のレポート設題は、以下のようなものでした。 「電子図書館の必要性を述べるとともに、日本の公共図書館が今後どのような情報資源を収集し、電子図書館サービスを提供すべきなのかを論じなさい。」 レポート設題集を見ると、留意事項のところに次のような指示があります。 「(1)電子図書館とはなにか、(2)公共図書館による電子出版物のこれまでの提供について、(3)今後どのような電子図書館サービスを提供すべきなのか、という順序で論理的に記述し、レポートを作成してください。」 この指示を参考に設題を分解すると、レポートの構想は以下のように導かれます。 ①電子図書館の概要、語句説明を行う ②公共図書館の電子出版物の提供についての到達点と課題を述べる ③上記②で述べた課題を踏まえて今後の電子図書館サービスの展開を述べる 2. 2-1. まず、電子図書館についての説明が求められます。 テキストの記述を参考にしながら、以下のようにまとめました。 電子図書館とは、ネットワーク上で図書館情報資源を提供するものであり、森(2016)82頁によると「なんらかのかたちで全文テキスト化或は画像処理を行ったものをコンピュータに蓄積し、インターネット上で検索と閲覧できるものをさすことが多い」ものと定義される。図書館法第3条では図書館が収集すべき資料が列挙されるが、その中に物理的媒体を伴わないネットワーク情報資源は明記されていない。しかし、図書館情報資源とは図書館サービスに必要な資料はすべて含むものという考えに立つと、これらの情報資源も公共図書館は収集すべきであり、電子図書館の発展が望まれる。 2-2. 次に、従来の公共図書館における電子出版物の取扱いについて述べていきます。 ここで注意したいのは、ただ漠然と来歴をまとめるのではなく、次の項において今後の展開を述べることを意識するという点です。 今後の展開を述べるパターンとして比較的容易なのは、課題点を見つけてその克服の在り方を述べることです。本設題ではまさにそのパターンが有用であるように思えますので、現状において課題として残されていることに重点を置いて論を展開するのが良いでしょう。 私は国立国会図書館での取り組み、公立図書館での取り組みをまとめた後に、課題が多く残っているように記述されていた動画の取扱いについて、以下のように述べました。 日本における、ネットワーク情報資源を用いた図書館の取り組みとしては、以下のものが挙げられる。   1-2-1. 国立国会図書館のデジタル資料の提供  平成21年の著作権法改正以降、国立国会図書館が所蔵する資料を保存する目的でのデジタル化が可能となった。これらの資料は、国立国会図書館デジタルコレクションで検索、閲覧が可能となる。また、2014年1月より、図書館向けデジタル化資料送信サービスが開始された。このサービスは、国立国会図書館がデジタル化した資料のうち、絶版などのため市場に流通しておらず、オンデマンド出版などでも商業的に出版されていない、図書館が入手困難な資料が対象となっている。国立国会図書館の承認を受けた図書館は、インターネットを通じて館内においてこれらの資料の閲覧と複製が可能となる。   1-2-2. 電子書籍サービスの提供  電子書籍サービスの過渡期のサービスの例として、北海道岩見沢市の図書館が館内専用端末において電子書籍の閲覧サービスや、奈良県生駒市図書館の電子書籍端末の貸出サービスが挙げられる。また、近年の公共図書館では非来館型の電子書籍サービスとして、ネットワークを介した貸出サービスを行っている。東京都千代田区立図書館の千代田web図書館においては、インターネット上で貸出・閲覧できる電子書籍サービスを行っており、約4000タイトルを提供している。また、大阪府堺市立図書館でも同様のサービスを行っており、約1100タイトルが提供される。この他にも大阪市立図書館や秋田県立図書館など、54館ほどが同様のサービスを行っているとされる。   1-2-3. 図書館における音楽・動画配信サービス  音源を配信するサービスである国立国会図書館の「歴史的音源」では、著作権の保護期間が終了したものを公開しており、国立国会図書館や参加公共図書館に来館すると、提供される全音源を聞くことができる。また、2005年よりナクソス・ミュージック・ライブラリーによる音楽配信が開始されている。このサービスにおいては、公共図書館はアクセス権を購入し、利用者は図書館でIDとパスワードを入手することでアクセスが可能となり、自宅で音楽を聞くことが出来るのである。2008年の岐阜市立図書館での導入を皮切りに、2016年6月現在では全国で130の図書館が導入しているという。  動画の配信に関しては、国立国会図書館デジタルコレクションにおいて、NPO法人化学映像館を支える会によってデジタル化され、提供されたものが閲覧可能である。しかし、公共図書館においては配信用動画や放送番組は資料収集の対象になっていない。インターネットによる公衆送信を前提とした契約処理がなされていない過去の動画や、肖像権の問題などで、放送会社で作成されたコンテンツそのものを利用者に提供・配信している事例は少ない。 2-3. 前項において課題が明確に論じられていれば、ここで記述する内容には迷わずに済むように思われます。 動画配信に関して課題点があると述べたので、次のように今後の展開を論じました。  第1章を受けて、本章では私見を交えて電子図書館サービスという観点からの公共図書館の課題と今後の展望を述べる。  公共図書館の現状を踏まえると、動画配信が課題として残されているように思える。公共図書館が今後採るべき方向性は、動画の配信自体を目的として契約の更新や肖像権の取得といった問題に重きを置いて労力をかけるのではなく、そもそも図書館において収集すべき情報資源とは何かという点に立ち返り、如何なる動画を収集・配信すべきかを検討することである。図書館法に挙げられる、土地の事情、一般公衆の希望、学校教育の援助、家庭教育の向上等の考慮要素を踏まえるとともに、保存が目的のデジタル・アーカイブとの役割分担を意識して、如何なる情報資源がネットワーク上の動画配信に適切かを決断して、その提供に向けて努力すべきである。現在抱えている動画配信に関する課題は、「動画」という情報資源一般の配信を想定するため生じる問題である。直接来館しDVD等の貸出を行う以上に、ネットワークを利用して配信すべき積極的な理由が生じる資料にまず限定するなど優先順位をつけて、その契約や権利の取得を講じることが望ましい。 3. 解答例 以上を踏まえて、私が作成したレポートの全体がこちらです。  本稿は、電子図書館の必要性を述べ、日本の公共図書館の今後の情報資源の収集や電子図書館サービスの展開を論考するものである。 1. 電子図書館  1-1. 電子図書館の概観  まず、電子図書館について概観し、その必要性を考察する。電子図書館とは、ネットワーク上で図書館情報資源を提供するものであり、森(2016)82頁によると「なんらかのかたちで全文テキスト化或は画像処理を行ったものをコンピュータに蓄積し、インターネット上で検索と閲覧できるものをさすことが多い」ものと定義される。図書館法第3条では図書館が収集すべき資料が列挙されるが、その中に物理的媒体を伴わないネットワーク情報資源は明記されていない。しかし、図書館情報資源とは図書館サービスに必要な資料はすべて含むものという考えに立つと、これらの情報資源も公共図書館は収集すべきであり、電子図書館の発展が望まれる。  1-2. 従来の日本の電子図書館の取り組み 日本における、ネットワーク情報資源を用いた図書館の取り組みとしては、以下のものが挙げられる。  1-2-1. 国立国会図書館のデジタル資料の提供  平成21年の著作権法改正以降、国立国会図書館が所蔵する資料を保存する目的でのデジタル化が可能となった。これらの資料は、国立国会図書館デジタルコレクションで検索、閲覧が可能となる。また、2014年1月より、図書館向けデジタル化資料送信サービスが開始された。このサービスは、国立国会図書館がデジタル化した資料のうち、絶版などのため市場に流通しておらず、オンデマンド出版などでも商業的に出版されていない、図書館が入手困難な資料が対象となっている。国立国会図書館の承認を受けた図書館は、インターネットを通じて館内においてこれらの資料の閲覧と複製が可能となる。   1-2-2. 電子書籍サービスの提供  電子書籍サービスの過渡期のサービスの例として、北海道岩見沢市の図書館が館内専用端末において電子書籍の閲覧サービスや、奈良県生駒市図書館の電子書籍端末の貸出サービスが挙げられる。また、近年の公共図書館では非来館型の電子書籍サービスとして、ネットワークを介した貸出サービスを行っている。東京都千代田区立図書館の千代田web図書館においては、インターネット上で貸出・閲覧できる電子書籍サービスを行っており、約4000タイトルを提供している。また、大阪府堺市立図書館でも同様のサービスを行っており、約1100タイトルが提供される。この他にも大阪市立図書館や秋田県立図書館など、54館ほどが同様のサービスを行っているとされる。   1-2-3. 図書館における音楽・動画配信サービス  音源を配信するサービスである国立国会図書館の「歴史的音源」では、著作権の保護期間が終了したものを公開しており、国立国会図書館や参加公共図書館に来館すると、提供される全音源を聞くことができる。また、2005年よりナクソス・ミュージック・ライブラリーによる音楽配信が開始されている。このサービスにおいては、公共図書館はアクセス権を購入し、利用者は図書館でIDとパスワードを入手することでアクセスが可能となり、自宅で音楽を聞くことが出来るのである。2008年の岐阜市立図書館での導入を皮切りに、2016年6月現在では全国で130の図書館が導入しているという。  動画の配信に関しては、国立国会図書館デジタルコレクションにおいて、NPO法人化学映像館を支える会によってデジタル化され、提供されたものが閲覧可能である。しかし、公共図書館においては配信用動画や放送番組は資料収集の対象になっていない。インターネットによる公衆送信を前提とした契約処理がなされていない過去の動画や、肖像権の問題などで、放送会社で作成されたコンテンツそのものを利用者に提供・配信している事例は少ない。 2. 今後の日本の公共図書館の展開  第1章を受けて、本章では私見を交えて電子図書館サービスという観点からの公共図書館の課題と今後の展望を述べる。  公共図書館の現状を踏まえると、動画配信が課題として残されているように思える。公共図書館が今後採るべき方向性は、動画の配信自体を目的として契約の更新や肖像権の取得といった問題に重きを置いて労力をかけるのではなく、そもそも図書館において収集すべき情報資源とは何かという点に立ち返り、如何なる動画を収集・配信すべきかを検討することである。図書館法に挙げられる、土地の事情、一般公衆の希望、学校教育の援助、家庭教育の向上等の考慮要素を踏まえるとともに、保存が目的のデジタル・アーカイブとの役割分担を意識して、如何なる情報資源がネットワーク上の動画配信に適切かを決断して、その提供に向けて努力すべきである。現在抱えている動画配信に関する課題は、「動画」という情報資源一般の配信を想定するため生じる問題である。直接来館しDVD等の貸出を行う以上に、ネットワークを利用して配信すべき積極的な理由が生じる資料にまず限定するなど優先順位をつけて、その契約や権利の取得を講じることが望ましい。 … Continue reading 5709 図書館情報資源概論 レポート(及び、KULeDのお詫びについての所感)

5703 図書館情報技術論 レポート

図書館情報技術論のレポート作成について書きます。 レポート設題集は使用期間平成27年4月1日~平成29年3月31日のものを使用しています。 また、勉強の流れについてはこの記事で、レポートの書き方一般についてはこの記事で説明していますので、併せて一読頂けると以下の記事も読みやすいかと思われます。 繰り返しになりますが、丸写しのレポートは再提出になりやすいようなので、参考にとどめてください。 図書館情報技術論は、求められる書き方に当てはまらないとレポートで合格点を頂けないという所感があります。 今回はその要求される形式を意識して解説したいと思います。 1. 設題の分解と書き出し 図書館情報技術論のレポート問題は、次のようなものでした。 「テキストから情報技術に関する章を4つ以上特定し、①特定した各章の内容がどの様に関連しているかについて論述して下さい。 ②更に、特定した各章の内容が組み合されて図書館でどの様に応用されているか具体例を一つ挙げて論述して下さい。」 図書館情報技術論のレポートは二回目で合格点を頂いたのですが、一度目は完全に設題の分解を間違えていました。 この問題で求められていることは2つではなく3つです。すなわち、 「テキストから情報技術に関する章を4つ以上特定し、 ①特定した各章の内容がどの様に関連しているかについて論述して下さい。 ②更に、特定した各章の内容が組み合されて図書館でどの様に応用されているか具体例を一つ挙げて論述して下さい。」と設問を読み、 ア)情報技術に関する章を4つ特定 イ)特定した4章の相互の関連を明確かつ具体的に指摘 ウ)上記の情報技術の組み合わせによる、図書館での応用例を具体的に挙げる という骨組みを再提出の際に組み立てました。 本レポートの骨組みの作り方として、設題②から考えていくという方法をおすすめします。 私は、図書館の蔵書管理業務を論じたいと思い、そこから逆算して論文を書きました。 図書館での情報技術の応用は、4,5,9,10,11章において紹介されています(まえがき参照)。 上記の章を参考にしてレポートの到達点を決めると良いと思われます。 また、再提出になった際の講評において、 「まずレポートの冒頭で、特定した章を明記して下さい。」 とのご指摘を頂いたため、本レポートの導入に代えて以下のように記述しました。 本稿で特定する情報技術に関する章は、第1章、第2章、第3章、第6章である。 2. 2-1. ア)情報技術に関する章を4つ特定 テキストにおいて、基本的な情報技術に関する章は1,2,3,6,7,8章です(まえがき参照)。 各章の内容を概観すると、 第1章:コンピュータ、ファイル圧縮について 第2章:インターネットやLAN、RSSについて 第3章:コンピュータ・インターネット・データベースの融合としての情報社会、POS、バーコードについて 第6章:データベース、データベースプログラムについて 第7章:検索エンジンについて 第8章:コンピュータシステムの管理、ファイアウォールについて となっています。 既述の通り、レポート設題②の結論からレポートの構成を考えていたので、 蔵書管理業務に必要なコンピュータ、ネットワーク、POS、データベースなどが取り上げられている1,2,3,6章を選択しました。 2-2. イ)特定した4章の相互の関連を明確かつ具体的に指摘 選択した章で取り上げられている技術同士を特定し、それらがどのようにかかわりあっているのかを論じます。 ここにおいては、ぼんやりとさせず定型的に記述されることが求められるようです。 講評において、「第1章のA技術と第2章のB技術とは、○○○で関連(関係、共通)している。第2章のC技術と第7章のD技術とは、×××で関連(関係、共通)している。と言ったように章・技術をペアで明記しつつ技術の関連性を論述」することが要求されました。 すなわち、レポート問題①においては、 選んだ情報技術の場合の数だけ関係を述べることになります。私の場合は4つだったので6つの組み合わせの関係を述べることが必要となるでしょう。 さらに、「設題①と②との論述量がほぼ同量となるようにレポートを作成」することにも留意する必要があるので、1000字程度に整理できるように気を付けました。 以上の先生のご指摘にしっかり乗ることを留意し、以下のような解答を作りました。  第1章のコンピュータの技術と第2章のインターネットの技術は、インターネットがコンピュータ間のネットワークであるLAN同士を接続したネットワークのことを指すという点で関連する。インターネットはLAN間の相互接続の一種で、米国の大学間において各ネットワークの相互接続が基になっているとされる。  第1章のコンピュータの技術と第3章のPOSシステムの技術は、POSシステムにおいて個々のPOSレジスターやそれらを統括する本部のコンピュータの存在が不可欠であるという点で関連している。POSレジスターは、スキャナという入力装置を利用し、ネットワークを介してデータベースを参照して商品の情報を得て、レシートに出力する機能を持つコンピュータと言えるだろう。  また、第6章のデータベースの技術についてであるが、データベースたり得るためには、データや情報の集合体に加え、コンピュータを用いて検索可能であることが求められる。したがって、第1章のコンピュータの技術と第6章のデータベースの技術は、データベースがコンピュータの存在を前提としている点で関連がある。  第2章のインターネットの技術と第3章のPOSシステムの技術は、POSシステムにおける個々のPOSレジスターと本部のコンピュータの間のデータ通信がネットワークを利用して行われる点で関連している。そのような組織内のネットワーク同士を接続したものを、インターネットと呼ぶためである。  第2章のインターネットの技術と第6章のデータベースの技術は、今日ではインターネットを介したデータベースが屡々利用されるという点で関連する。具体的な場面としては、ネットショッピングで商品を検索したり、インターネットを利用してホテルや新幹線の空室・空席を問い合わせたりすることが挙げられる。  第3章のPOSシステムの技術と第6章のデータベースの技術は、POSシステムを利用して販売を行うにあたって、商品コードや商品価格、販売個数等を結びつけたデータベースを作成し、利用しているという点で関連する。バーコードは商品コードを表すに過ぎないので、データベースを用いて情報を結びつけることが必須となる。 2-3. ウ)図書館での応用例を具体的に例示 … Continue reading 5703 図書館情報技術論 レポート

5710 情報資源組織論 レポート (最終更新2017年11月10日)

情報資源組織論のレポート作成について書きます。 レポート設題集は使用期間平成27年4月1日~平成29年3月31日のものを使用しています。 勉強の流れについてはこの記事で、レポートの書き方一般についてはこの記事で説明しています。 繰り返しになりますが、丸写しのレポートは再提出になりやすいようなので、参考にとどめてください。 本記事最後にいくつか参考書を紹介しておりますが、リンク先はAmazonの詳細ページとなっているので適宜ご参照ください。また、通信教育や大学で勉強されている方など「学生」の方で、Amazon studentに登録されていない方はこちらから登録できるので、購入の際にはぜひ登録されるといいと思います。 お急ぎ便の利用やアマゾンパントリーの利用のほか、書籍購入で通常より多くポイントが付くので、近大通信で勉強されている方には特におすすめです。 情報資源組織論のレポートは2回目の提出で合格点を頂きました。 本解説では再提出となった講評を踏まえて解説したいと思います。 1. 設題の分解と書き出し 情報資源組織論の設題は次のようなものでした。 「指定したキーワードをすべて使って、各設問の解答を完成させてください。 Ⅰ.目録作成業務にコンピュータを導入することによって、いかなる成果が得られるか、特に集中目録作業と共同目録作業との関わりから論述してください。 <キーワード:MARC、集中目録作業、共同目録作業、総合目録、書誌ユーティリティ> Ⅱ.日本十進分類法(NDC)の特徴について長所と短所を中心に論述してください。<キーワード:総記、十進記号法、列挙型分類法、補助表>  」 設題は2つあり、それぞれを分解すると次のように整理できそうです。 「Ⅰ.目録作成業務にコンピュータを導入することによって、いかなる成果が得られるか、特に集中目録作業と共同目録作業との関わりから論述してください。 <キーワード:MARC、集中目録作業、共同目録作業、総合目録、書誌ユーティリティ> Ⅱ.日本十進分類法(NDC)の特徴について長所と短所を中心に論述してください。<キーワード:総記、十進記号法、列挙型分類法、補助表>  」 設題の意図がわかりやすい、なんとも親切な問題文でした。 今回は字数の都合上、レポート全体の導入部分を省きました。レポート足るべき体裁が整えられていない気がして、格好がつかなくてちょっと悔しい。 その代わり?に、設題それぞれについて、簡単に導入する文章をくっつけています。 2-1. 設題Ⅰ 本設題においては、目録作成業務にコンピュータを導入することによるメリットを説明することが求められています。 そして、その際に集中目録作業と共同目録作業を用いることが要求されている問題と読めました。 したがって、この設題の骨組みを以下のように整理しました。 ①集中目録作業とは何か ②共同目録作業とは何か ③それぞれの目録作業にコンピュータを導入することによって、どのような成果が期待できるか ①と②で語句を説明するにあたって、可能な範囲でキーワードに触れておきました。 この時のキーワード説明には後述の用語辞典や参考書が役に立つので、ぜひお目通しくださいね。 そして一回目の提出の際の講評でご指摘いただいた点として、 「テキストと内容が似ているところがある」 というものがあります。 したがって再提出時には、テキストの丸写しにならないように留意しつつ、3. 以下の参考書を購入して推敲、再提出しました。 本科目のテキストは非常にコンパクトに、且つ適切な言葉でまとめてあるので、テキスト通りの言葉で表現するのが最も説明として相応しいように思えました。 したがって1回目は参考書等を使いませんでしたが、やはり情報を増やせば増やすほど、頭の中で圧縮され、結局は自分の言葉で説明することを助けてくれます。 また、論文の構成になっている点については、高く評価いただいております。 一回目の提出の時から構成は意識していたので、論文の構成になっているか否かがどこまで合否を左右する要素なのか判断しかねますが、 導入・本文・結論 を意識して書くに越したことはなさそうです。 また、設題ⅠとⅡを総合して結論を書くべきか迷いましたが、 導入する部分を設題ごとに書いたので、結論部分も分けて書くことにしました。 上記を踏まえた設題Ⅰの解答は以下の通りです。  本稿では、集中目録作業と共同目録作業との関わりに着目し、コンピュータを利用した目録作成業務における成果を考察する。  集中目録作業とは、一つ或は少数の限定された特定の機関や組織が目録レコードを作成・配布する作業方式である。従来から全国書誌作成機関が目録カードの作成・配布を行っていたが、現在はコンピュータが取り扱うことのできる形である機械可読形式で目録レコードを作成し配布している。この目録レコード作成作業をMARC、その成果物である目録レコードをMARCレコードと呼ぶ。MARCレコードを受け取った図書館は、自館のコンピュータ・システムにコピーするだけで蔵書目録を更新できる。  共同目録作業は、多数の図書館が共同して目録作成作業を行う方式である。今日では複数の図書館などの機関が共通にアクセスするデータベースを維持管理して行う手法が共同目録作業の主流であり、この手法を用いて共同書誌データベースを維持管理する組織を、書誌ユーティリティと呼ぶ。共同目録作業にあたって、参加館は共同書誌データベースを参照して目録の確認や作成、更新などの作業を行うため、これを管理する書誌ユーティリティの存在は重要である。  目録作成業務にコンピュータが導入されることで、集中目録作業ではカードの作成業務が省略でき、また、共同目録作業という目録作成の新たな方法が可能となった。さらに、共同目録作業によって目録を作成すると、共同書誌データベースに各参加館の所蔵情報が蓄積され、総合目録が形成される。総合目録は参加館の横断検索を可能とし、資料の相互貸借にかかる事務作業量を低減させる点で図書館の業務効率向上に資する。総合目録の構築は、共同目録作業によって目録作成を行うことの大きな利点と評価できる。  以上の考察より、集中目録作業の必要性に関する疑問が導かれる。共同目録作業によって、理論的には各参加館は主体的に目録作成作業に携わり、また、総合目録も構築できる。そのような利点を持つ共同目録作業に対し、集中目録作業が果たせる役割やその利点とは何か。私見として、質の高い正確な目録レコードを作成可能であることが利点と考えられる。国立国会図書館や民間企業に劣らぬよう、共同目録作業で目録を作成する各々の図書館も研鑽に努めるべきである。 2-2. 設題Ⅱ 本設題ではNDCの長所と短所を説明することが求められています。 この設題に素直に解答すると、 「長所は~、一方で短所は~。」 という骨組みになり得るでしょう。長所と短所こそがその特徴を何よりも表すものですから。 しかし、論文の構成を意識した上でレポートの骨組みを考えると、 「NDCは~という特徴を有するものである」 … Continue reading 5710 情報資源組織論 レポート (最終更新2017年11月10日)

5706 情報サービス論 レポート

情報サービス論のレポート作成について書きます。 勉強の流れについてはこの記事で、レポートの書き方一般についてはこの記事で説明しています。 繰り返しになりますが、丸写しのレポートは再提出になりやすいようなので、参考にとどめてください。 1. 設題の分解と書き出し 情報サービス論のレポート設題は、 「利用教育(利用指導)の重要性を挙げ、それぞれについて簡潔に述べるとともに、実施のために必要な環境整備とは何かを考察し、論ぜよ。」 これを分解すると、 「利用教育(利用指導)の重要性を挙げ、それぞれについて簡潔に述べるとともに、実施のために必要な環境整備とは何かを考察し、論ぜよ。」 となると思われます。この設題で答えるべきは、 ①利用教育の重要性、 ②利用教育実施にあたって必要な環境整備についての私見 の2点と思われたので、次のような導入を書きました。  本稿は、情報提供サービスの中心であるレファレンス業務の中の、利用教育について論じる。まず第1章において利用教育の重要性をまとめ、第2章では求められる環境整備について考察を深める。 2. 設題①と設題② まず設題①については、教科書67頁の「利用教育の重要性」という見出し以降を読んでまとめるだけでいいと思います。 また、教科書中の文量や文章の内容から、ここで挙げられている8点にはそれぞれ重みづけにおいて差異があるように読めます。具体例はさーっと通り過ぎて、主張になっている部分を見つけてください。 (失礼ですが)同じようなこと言ってるんじゃない?って思うところもあって、適宜自分の良いように解釈してまとめました。 その結果、設題①については次のように説明しています。  図書館における利用教育が重要とされるのは、以下の理由による。 1.情報化社会を生き抜く手立て 情報化社会とは、「通信技術やコンピュータの飛躍的な発達に伴い、大量の情報が生産され、流通・蓄積廃棄という活動が展開される社会」と表現される(毛利2012)。そのような社会では、適切な情報の素早い効率的な入手が重要であるため、利用教育が求められる。 2. 情報のリストラ時代 図書館利用教育は、一定の探索法による効果的な調査に本質がある。そのため、情報の取捨選択が不可欠である情報のリストラ時代において、効果を発揮する。 情報のリストラ時代の帰結として、図書館員は利用教育に関する指導が求められる。図書館員は情報活用能力に加えて主題知識も問われ、専門主題に関する学習・研究が必要となる。 3. 情報化社会における対応策 情報化社会に対応して上手く文献を入手するには、情報入手のための調査法を学び、情報選択能力を持つことが有効である。 4. 文献調査法の会得 情報化社会においては、文献調査法の会得は不可欠であるが、日本の教育制度にはその確固たる基盤がない。日本の教育はいわゆる知識注入型で、事前調査や図書館利用がおろそかになることが多い。しかし今般の時代の変遷を踏まえると、情報化社会の要請に応えて取り組まねばならない、喫緊の課題であるといえる。生徒に文献調査法を指導しうるよう、教員養成の面でも改革は求められる。 5. 日本の文献調査法教育の現状 文献調査法教育の基盤が確立していないため、細かな資料利用を必要となる大学教育の段階で、現実的に対応するケースが増加している。本来は義務教育の段階において利用教育を行い、自主的・自発的な学びを深めうるよう整備するのが望ましい。 6. 原始的手法による文献の収集 文献調査法の指導の枠組みも確立していない日本においては、文献調査法を知らず大学に入学した学生は原始的手法によって資料を入手するので、図書の利用に偏る傾向にある。 7. 文献調査法の指導のもたらす効果 文献調査法を会得し、これを活用して課題に取り組めば、原始的手法を用いるのに比して、質の向上とともに所要時間の大幅な短縮が見込める。 8. 全ての人を豊かにする文献調査法 生涯学習時代において、文献調査法はどのライフステージにおいても有効に活用されうる。利用教育を受けることで、学生は卒業後の情報化社会を生き抜く手だてを会得するのである。その効果を考慮すると、文献調査法教育を図書館の管轄する課題として委ねるのは適切ではなく、社会的・国家的な利用教育の枠組み整備が求められる。 続いて、設題②についての解説をします。 教科書が考えている必要な環境整備は79頁以下に列挙されています。私見を述べる前に、まずこの7点を列挙しました。これはテキストを読んでいることをアピールするためです。 通信教育、特に私のようなレポートもテストも全てKULeDを利用している人にとっては、打ち込む文字だけが全てです。どんなに勉強したかを採点する先生に伝える術は、レポートの内容以外にありません。 7点を列挙した後、どのような環境整備が必要であるかの私見を述べます。 私は①組織的に行うことに着目して私見を述べました。 教科書に載っている7点は、完全に並列で語り得る7点ではないことがわかると思います。 例えば、②予算措置、③教員との連携などの環境整備は、①組織的に行われることが前提になっています。つまり、環境整備には順番があるってことです。 そこで、私見は次のように構成しました。 主張(どのような環境整備が必要か)→その理由(なぜ組織的に行うことが必要か、つまり、どのような現状があるために組織的に行うことが求められるか)→主張によってもたらされる効果など(どのように環境整備として貢献するか、或は、どのようにして具体的に進めていくことになるのかなど) また、教科書の内容だとコンパクトすぎるので、ciniiで最新の論文を探して読んで肉付けしてみました。 以上の手順を踏んで、私が作った設題②の解答がこちらです。  毛利(2012)によると、求められる環境整備として以下の7点が挙げられるという。すなわち、(1)組織的に行うこと、(2)予算措置をすること、(3)教員の連携を図ること、(4)利用教育マニュアルを作成すること、(5)館員研修を実施すること、(6)レファレンスツールを充実させること、(7)映像メディアを利用することである。 上記はいずれも重要であるが、筆者が関心を抱くのは(1)組織的に行うことに含まれる、組織的・制度的整備による、利用教育の基盤づくりである。 学生が文献調査法を知るのは、大半の場合、大学入学以降であるのは既述の通りである。現在の利用教育に関する研究も、大学図書館を対象としたものが多くを占めている(中浴・伊藤2015など)。小学校教育において、学習指導要綱には学校図書館の利用に関する既述が増えているとされ、利用教育の必要性が意識されていると思われる場面もあるが、実際の教育の場面では、これらを参考に担任と図書館担当者がすり合わせを行って、授業を展開するかが決定される(菅原・中山2007)。そのため、個人の力量や熱意によって利用教育の密度が左右されるのは免れない。 このような現状のもとで、組織的に行うことを目指す取り組みとしては、利用教育の実践とその研究の積み重ねが有効と思われる。組織的な整備の前提として、望ましい利用教育に関する議論の蓄積、利用教育の制度モデルの形成が必須となる。現在は大学図書館での研究が主であるが、この現状に対して、的を得ていない、と非難するのに終始するのではなく、そのような研究を積み重ね、義務教育のどの段階でどのような教育を盛り込むことが適切か、建設的な議論の土台づくりに活かしたい。 3. 解答例 以上を踏まえて、私が作成したレポートがこちらです。 はじめに 利用教育とは 本稿は、情報提供サービスの中心であるレファレンス業務の中の、利用教育について論じるものである。まず第1章において利用教育の重要性をまとめ、第2章では求められる環境整備について考察を深める。 … Continue reading 5706 情報サービス論 レポート