5701 生涯学習概論 科目終末試験問題集 問題文【平成29年3月迄】

使用期間平成27年4月~平成29年3月迄の科目終末試験問題集の問題です。 どのような設題に対してどのような解答を作ったのか、 ご自身の問題集の出題と照らし合わせて解答案を参照され、 新しい問題集での解答作りにお役立てください。 生涯学習概論の解答案はこちらから。 1. 現在の激しい社会の変化は。人類や地球的規模で展開しており、まさに深刻な事態を招きつつあるといわれています。ポール・ラングランは、このような社会の変化を、人間社会に対する自然からの「挑戦」だといっております。 彼は、このような社会の変化に対応する方法を考えました。それはどんな方法なのか説明してください。 2. ラングランは「生涯学習の目標」を、どのように設定しましたか。 3. 社会教育の事業を指導する指導者の存在は、重要なものと云われています。この指導者について説明してください。 4. 生涯学習センターと他の公的生涯学習施設との関係について、説明してください。 5. 生涯学習を具体的に行うには、どのような方法がありますか。その方法を述べて説明してください。 6. 生涯学習と社会教育、学校教育、家庭教育との関係について、述べてください。 7. 学習情報には、百科全書的情報と案内情報とがあります。これらの情報についてそれぞれ説明してください。 また、これらの情報を提供する場合、注意しなければならない問題点があれば、その点についても説明してください。 8. 生涯学習相談員の相談方法の種類と内容について、説明してください。 9. 学習相談員の存在は、生涯学習に必要不可欠なものといわれています。その理由について説明してください。 10. 我が国の生涯学習施策の仕組みについて、簡単に述べてください。 11. 図書館(図書館の種類は、問いません)は、生涯学習社会の中枢機関であるといわれています。その理由を述べてください。 12. 生涯学習情報の種類と内容について、述べてください。 13. OECD(経済協力開発機構)によって提唱された「リカレント教育」とは、どのような教育ですか。またどうしてリカレント教育が、説かれたのですか。説明してください。 14. ポール・ラングランが説く「生涯学習を必要とする理由」について、説明してください。 15. ポール・ラングランは、生涯学習が必要な理由として、現代社会の激しい変動の克服をあげております。そしてそれについて具体的な項目をあげております。その項目について箇条書きで述べてください。 16. 生涯学習成果の評価方法について述べてください。 17. 1981年6月に中央教育審議会が「生涯学習について」を答申しました。 この答申で、最も注目されたのは「生涯教育」と「生涯学習」とを明確に区別して、定義したことです。このことについて説明してください。 18. 生涯学習の場としての「公的生涯学習施設」の種類とその役割について簡単に説明してください。 19. 我が国の生涯学習施策は、各種の審議会答申のなかで発表されたものをまとめて4つの方針に基づいて施行されております。これを「4本の柱」といっておりますが、この4本の柱について、具体的な説明をしてください。 20. 臨時教育審議会の第二次答申で云う「生涯学習体系への移行」の必要性として、どのような事項が主に提言されましたか。箇条書きで述べてください。  

5701 生涯学習概論 レポート

今日から少しずつレポート問題の解説と解答例を記事にしていきます。 勉強の流れについてはこの記事で、レポートの書き方一般についてはこの記事で説明しています。 繰り返しになりますが、丸写しのレポートは再提出になりやすいようなので、参考にとどめてください。 1. 設題の分解と書き出し 生涯学習概論のレポート設題は次の通りでしたね。 「ポール・ラングランの生涯教育理論が我が国の施策に及ぼした影響について述べてください。」 この設題によって何が問われているかを分析すると、 「ポール・ラングランの生涯教育理論が我が国の施策に及ぼした影響について述べてください。」 この2点にポイントが置かれるように思われました。 つまり今回のレポートのアウトラインは、 ①ポールラングランの生涯教育理論を説明し、 ②この理論が日本の施策に及ぼしたと思われる影響を述べる。 で良いと思います。 したがって次のような導入を作りました。  今日における「生涯学習」の前身ともいえる「生涯教育」という概念は、ポール・ラングランによって提唱されたものである。彼が提唱した生涯教育に関する基本的な枠組みは受け継がれており、今日の我が国の生涯学習施策全体として、その理論の影響を受けているように思われる。  本稿では、検討の前提となるラングランの生涯教育理論について、まず概観する。続いて、彼の理論が我が国の施策に及ぼした影響を考察する。 2. 設題①と設題② まず①について、ラングランの理論を自分の言葉でまとめます。  ラングランによると、生涯教育とは、人の生活が公的か私的かに関わらず、一生涯の間、生活の全領域にわたって行われる、『綜合』教育の理念であるとされる。そして同時に、生涯教育は、一人一人の能力を十分に伸ばし、その使命を達成させるための制度であるとする。さらに、人類が直面する政治的、社会的、或は経済的な問題を、人類に対する挑戦であるとし、その対応策が求められていると考え、その対応策として生涯教育は位置付けられるべきとする。 生涯教育理念を以上のように建てた上で、彼は生涯教育の意義として(1)教育の年齢の統一、統合、(2)教育方法と教育内容の統一、統合を挙げる。前者は人の一生に着目した個人の教育という視点からの統一であり、後者は国民や社会全体における教育という視点からの統一である。この2つの視点をもって統合してゆくのが、彼が提唱する生涯教育というものなのであろう。 生涯教育の必要性に関して、彼は次のように考えた。教育とは人が生きている限り継続されるべきであり、その継続という働きを通して個人及び社会の永続的な要求に答えなければならない。 以上を踏まえて、彼の生涯教育理論の基本的な枠組みとして整理すると、次の3点にまとめられる。すなわち 、(1)現代の激しい社会の変化に対応するためには、「生涯にわたる教育・学習」が求められる、(2)今日の人類はこうした社会の変化に対応するのに必要な「新たな能力」を獲得しなければならない時期にある、(3)その「新たな能力」を得るためには、これまでの教育の制度に変わる、新しい制度を生み出す必要がある、という3点である。上記の基本的枠組みを継承して、今日に至るまで世界各国で各々の歴史的、或は社会的文脈といった実情を踏まえた「生涯学習」の理念が追求されてきたのである。 次に②についてですが、この部分を作成するのには少し時間をかけてよいと思います。 ラングランの理論というのは理念に近く抽象的であり、影響を受けている具体的施策を逐一取り上げるのは難しいような気がしました。 なので逃げているような感じもしますが、新体制や法整備の前提となっている一連の答申に影響を与えていて、間接的に今日の生涯学習施策全体に彼の理論が息づいている、というような書き方をしています。(笑)  1965年にユネスコにおいてポール・ラングランが「生涯教育」を提唱して以降、日本では波多野完治によって翻訳されたものが出版され、その理論が紹介された。そして1970年代前半より生涯教育や生涯学習論について議論が積み重ねられていく中で、中央教育審議会(以下「中教審」とする)や社会教育審議会(以下「社教審」とする)、臨時教育審議会(以下「臨教審」とする)が答申を発表してきた。その答申に導かれ、行政における生涯学習施策が徐々に進行していった。その一方で、高度経済成長期にあった我が国においては、産業界や経済界がいち早く「生涯学習」の考え方に反応し、社内教育への取り組みや、民間の教育産業による一大市場の形成等へと帰結した。 そのような現状を背景として、文部行政でも改革の動きがあった。1970年代から1990年代にかけて発表された各審議会の答申の精神を尊重して、生涯学習を推進するための新しい体制づくりを行い、生涯学習を実施するのに必要な法律の制定を実現させた。これが「生涯学習のための施策の推進体制等の整備に関する法律」である。この法に基づいて、今日の我が国の生涯学習にかかる様々な施策が運用されているのである。以上の歴史的経緯を踏まえると、今日の体制づくりの前提として、中教審、社教審、臨教審の各答申における、理論の追求が作用しているように思われる。なぜならば、ユネスコは、実情の異なる世界中の国々に向けたメッセージを発する立場であるため、その発言は理念的で一般的なものにとどまらざるをえない。ラングランの生涯教育理論を、我が国の実情に合わせて解釈し、いわば「日本の」生涯学習の理念を追求することが、生涯学習の施策の実施に不可欠なのである。そのような働きをしたのが、上記の各答申であるように思われる。彼の生涯教育理論は各答申の中で日本の実情に合わせて解釈、具体化され、今日の我が国の生涯学習にかかる施策のいたる所で活きているように感じられる。 3. 解答例 以上を踏まえて、私が作成したレポートは次の通りです。 1. はじめに 生涯学習を支援、援助するにあたって、我が国は様々な施策を講じてきた。 さて、今日における「生涯学習」の前身ともいえる「生涯教育」という概念は、ポール・ラングランによって提唱されたものである。彼が提唱した生涯教育に関する基本的な枠組みは受け継がれており、今日の我が国の生涯学習施策全体として、その理論の影響を受けているように思われる。 本稿では、検討の前提となるラングランの生涯教育理論について、まず概観する。続いて、彼の理論が我が国の施策に及ぼした影響を考察する。 2. ポール・ラングランの生涯教育理論 ラングランによると、生涯教育とは、人の生活が公的か私的かに関わらず、一生涯の間、生活の全領域にわたって行われる、『綜合』教育の理念であるとされる。そして同時に、生涯教育は、一人一人の能力を十分に伸ばし、その使命を達成させるための制度であるとする。さらに、人類が直面する政治的、社会的、或は経済的な問題を、人類に対する挑戦であるとし、その対応策が求められていると考え、その対応策として生涯教育は位置付けられるべきとする。 生涯教育理念を以上のように建てた上で、彼は生涯教育の意義として(1)教育の年齢の統一、統合、(2)教育方法と教育内容の統一、統合を挙げる。前者は人の一生に着目した個人の教育という視点からの統一であり、後者は国民や社会全体における教育という視点からの統一である。この2つの視点をもって統合してゆくのが、彼が提唱する生涯教育というものなのであろう。 生涯教育の必要性に関して、彼は次のように考えた。教育とは人が生きている限り継続されるべきであり、その継続という働きを通して個人及び社会の永続的な要求に答えなければならない。 以上を踏まえて、彼の生涯教育理論の基本的な枠組みとして整理すると、次の3点にまとめられる。すなわち 、(1)現代の激しい社会の変化に対応するためには、「生涯にわたる教育・学習」が求められる、(2)今日の人類はこうした社会の変化に対応するのに必要な「新たな能力」を獲得しなければならない時期にある、(3)その「新たな能力」を得るためには、これまでの教育の制度に変わる、新しい制度を生み出す必要がある、という3点である。上記の基本的枠組みを継承して、今日に至るまで世界各国で各々の歴史的、或は社会的文脈といった実情を踏まえた「生涯学習」の理念が追求されてきたのである。次章では、ラングランの理論が、我が国の「生涯学習」に関する施策に及ぼした影響について考察する。 3. ラングランの生涯教育理論の影響 1965年にユネスコにおいてポール・ラングランが「生涯教育」を提唱して以降、日本では波多野完治によって翻訳されたものが出版され、その理論が紹介された。そして1970年代前半より生涯教育や生涯学習論について議論が積み重ねられていく中で、中央教育審議会(以下「中教審」とする)や社会教育審議会(以下「社教審」とする)、臨時教育審議会(以下「臨教審」とする)が答申を発表してきた。その答申に導かれ、行政における生涯学習施策が徐々に進行していった。その一方で、高度経済成長期にあった我が国においては、産業界や経済界がいち早く「生涯学習」の考え方に反応し、社内教育への取り組みや、民間の教育産業による一大市場の形成等へと帰結した。 そのような現状を背景として、文部行政でも改革の動きがあった。1970年代から1990年代にかけて発表された各審議会の答申の精神を尊重して、生涯学習を推進するための新しい体制づくりを行い、生涯学習を実施するのに必要な法律の制定を実現させた。これが「生涯学習のための施策の推進体制等の整備に関する法律」である。この法に基づいて、今日の我が国の生涯学習にかかる様々な施策が運用されているのである。以上の歴史的経緯を踏まえると、今日の体制づくりの前提として中教審、社教審、臨教審の各答申における、理論の追求が作用しているように思われる。なぜならば、ユネスコは、実情の異なる世界中の国々に向けたメッセージを発する立場であるため、その発言は理念的で一般的なものにとどまらざるをえない。ラングランの生涯教育理論を、我が国の実情に合わせて解釈し、いわば「日本の」生涯学習の理念を追求することが、生涯学習の施策の実施に不可欠なのである。そのような働きをしたのが、上記の各答申であるように思われる。彼の生涯教育理論は各答申の中で日本の実情に合わせて解釈、具体化され、今日の我が国の生涯学習にかかる施策のいたる所で活きているように感じられる。 4. おわりに 本稿ではラングランの生涯教育理論が今日の我が国施策にどのように影響しているかという観点から、中教審、社教審、臨教審の答申がポイントとなっていたことを考察した。考察を深めていく中で、彼の生涯教育理論が、各国の実情に沿って成熟される余地を残していることに気づいた。本稿では我が国の歴史を辿ったが、他の国ではどのように実際の施策へと具体化されているのか、今後の研究の課題としたい。 このレポートに対する講評では、テキストの理解と、ラングランの理論と審議会を絡めたところが特に評価されていました。 ポイントはラングランの理論の中枢部分と審議会の議論を絡められるかどうかになるのかなあと思います。 ラングランの理論を整理してから日本の施策への影響の説明を始めることで、テキスト理解についてもアピールできるレポートになると思います。 【追記】 先日Amazonのほしい物リストを作ってみました。 本当にほしいものを厳選していくと、娘に買いたいものばかりになってしまいますね。 多少役に立ったし、お菓子やおもちゃのひとつでも買ってやるか、と応援してくださる方はこちらから。 大変嬉しく運営の励みになります( ˆОˆ )

5701 生涯学習概論 科目終末試験問題集 解答案

「5701 生涯学習概論」では、いくつか重複するような問題があるように思われました。 以下が私が準備した解答案です。 使用期間平成27年4月~平成29年3月迄の問題集を使用しています。 勉強の方法を書いた記事に私の試験準備については詳述しておりますが、 webで科目終末試験を受けるにあたって、試験勉強として問題集の解答作りをしています。 今になって再読すると、微妙かな、と思って書き直したい部分もありますが、 試験準備としてどの程度まで詰められたかを含めて参考にしていただけるとよいなと思ったので、受験前までに準備できた状態そのままで載せています。 【追記】 先日Amazonのほしい物リストを作ってみました。 本当にほしいものを厳選していくと、娘に買いたいものばかりになってしまいますね。 多少役に立ったし、お菓子やおもちゃのひとつでも買ってやるか、と応援してくださる方はこちらから。 大変嬉しく運営の励みになります( ˆОˆ ) 本記事コメント欄において参考図書を挙げておりますので、適宜リンク先のAmazonページをご参照ください。 近大通信で勉強されている方で、Amazon studentに登録されていない方はこちらから登録できるので、図書購入の際にはぜひ登録されるといいと思います。 お急ぎ便の利用やアマゾンパントリーの利用のほか、書籍購入で通常より多くポイントが付くので、勉強されている方にはおすすめです。私も一年間の近畿大学通信学部司書コース在学でかなり得をしました! 生涯学習概論 テスト問題解答案 1. ラングランが社会の変化に対応する方法として考えたのは、生涯教育の実現である。ここにおける生涯教育とは、個人の生涯にわたる垂直的な教育機会統合と、社会における水平的な教育機会の統合を、その意義として有するものである。 人間が生きている限りに教育が継続されることによって、個人や社会の絶え間ない要求、すなわち社会の変化に対応しうるとラングランは考えたのである。 2. ラングランは、「生涯学習の目標」を以下のように設定した。 ①人が生まれてから死ぬまでの、いわゆる、人間の一生を通して教育の機会を提供する。 ②人間が発達する課程の中に、総合的な統一性があるという視点から、その間に、いろいろな教育をして調和をさせて統合したものにする。 ③労働日の調整や、教育休暇や文化休暇などの設定を促進する。 ④小学校、中学校、高等学校、大学などは地域の中心部にあるのが多いため、学校本来の教育の遂行や地域社会の学校としての役割を担うのは当然ながら、地域の文化センターとしての役割も担っており、その役割を果たすよう勧奨する。 ⑤これまでの教育についての考え方を根本的に改め、「新しい能力」を得るという教育本来の姿に戻すために、生涯教育の理念を浸透させるように努める。 これらの設定した目標は、世界共通の課題とはなりえなかった。その理由としては、発展途上国においては学校教育自体が未熟で、先決問題として存在していたことと、成人における識字率が大きな問題となっていたことが挙げられる。 3. 生涯学習の基本は個人学習であり、そのような学習を行うにあたって必要となるのは学習の場である。学習の場となる生涯学習施設は、多様化する学習者の学習ニーズに対応して、種々雑多な設立目的に従って運営されている。このような施設では、学習を指導する役割の担う人々の存在が求められ、これが「指導者」と呼ばれる人々である。一口に指導者と纏められる人々の中には、様々な身分や職名、指導する内容において違いがあるが、生涯学習を行う住民に対して、指導的な役割を持ち、援助、助成、助言などの職務を担当しているという点で共通している。また、講演会や研修会に講師として招かれる、いわゆる学識者も一時的な指導者であり、「学級」や「講座」などの助言者も指導者に含まれる。 具体的には次のようなものが挙げられる。 ・公務員の身分を持つ指導者 専門的職員として教育委員会に置かれている社会教育主事、社会教育主事補、生涯学習施設に置かれている公民館主事、司書、学芸員、社会教育指導員、社会教育関係団体の指導者など。 ・公務員の身分をもたない指導員 行政から委嘱された指導員、ボランティアで携わる有志の指導員。 ・行政が委嘱する各種委員 社会教育委員、公民館運営審議会委員、図書館協議会委員、スポーツ振興審議会委員、青少年委員、体育指導員、婦人教育指導員など。 4. 学習希望者が学習を始めるにあたって、学習情報がまず求められる。そのため、学習情報提供事業の充実が必要となるのである。 学習情報は非常に多様化されており、それらの情報は様々な生涯学習施設が個別に所有している。そのため、これらの情報を総合的、全体的に利用する上では、これらの情報を一括して集中管理し、学習者のニーズに対応した情報を提供する、情報の中央管理機関が求められる。都道府県を中心として設置される生涯学習推進センターは、このような役割を担う機関である。 生涯学習推進センターと他の公的生涯学習施設との関係を踏まえて今日求められるのは、個々の生涯学習施設が蓄積している情報を、生涯学習推進センターを中枢機関として同センターに集中させて、学習者からのアクセスがあれば、直ちに情報を提供しうるようなシステムの構築である。 5. 生涯学習を具体的に行う学習方法としては、(1)個人学習(2)集団学習の二つの形態が考えられる。 (1)個人学習とは、伊藤俊夫氏によれば、「個人がある学習目的を達するために、意図を持って計画的、継続的に主として学習媒体を用いて、一人で学習する形態」と定義される。個人学習においては、図書館や博物館といった生涯学習の施設を利用することがある。また、印刷媒体、放送、視聴覚教材やインターネットなどを学習媒体として用いる。 (2)集合学習とは、人々が定められた場所に集まって学ぶ学習形態を指す。さらに集合学習は、(ア)集会学習と(イ)集団学習とに分類される。 (ア)集会学習とは、人々が単発的に集まって学習する形態を指す。具体例として、講演会、音楽会、映画の上映会などがある。 (イ)集団学習とは、人々が一定期間継続して学習する形態を指す。具体例として、学級、講座、教室、集会、団体活動などが挙げられる。 思うに、生涯学習の方法としては個人学習がより重視される。1981年の中教審の答申によれば、生涯学習は自己の意志に基づいて、いつでも、どこでも、自らが望む手段、方法で学ぶこととされている。これは、当時主流であった集合学習とは対比される学習形態である。 さらに、今日においては学習ニーズが多様化を極めており、集合学習では対応しきれない事情も生涯学習を行う上で、個人学習の形態が求められる要因となっている。 6. 生涯学習は具体的な学習形態、手段や方法を持つものではなく、本質的な理念として存在するもので、家庭教育、学校教育、社会教育の三者を有機的に統合し、教育全体を包摂する上位概念として捉えることができる。以下では三者と生涯学習の関係について考察する。 ①家庭教育と生涯教育 生涯学習という観点から家庭教育に求められるものとしては、家庭の教育力の養成である。成人への家庭教育が最重要視され、具体的には親として、あるいは祖父母としての在り方や、家族の役割分担などについての、自発的な学習が求められる。 ②学校教育と生涯学習 生涯学習の観点から学校教育に求められるものとしては、児童や生徒といった、従来学校教育の対象となっていた者以外の人々と、学校のつながりを作っていくことがある。学校施設の開放や、教員による講座や講演等の実施、PTAが会員に向けた講座や講演の開催などの学習活動、大学などでの公開講座の実施などが具体例として挙げられる。 ③社会教育と生涯学習 そもそも生涯教育は社会教育の概念をもとにして生じたものと考えられ、両者は非常に近い関係にあるといえる。両者の違いとして、以下のものが挙げられる。 (ア)学習者の対象 実際に行われている社会教育の施策や活動は成人を中心とした成人教育に重点が置かれ、青少年や乳幼児の教育は学校や家庭教育に任されている。一方生涯教育においては、その対象は一生涯の間に及ぶ。 (イ)教育の領域 社会教育の領域は、教育の全領域から学校教育と家庭教育を除いたものとされる。一方生涯教育の領域は、上位概念として前記三領域全てを包摂するものである。 … Continue reading 5701 生涯学習概論 科目終末試験問題集 解答案